表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

おじさんパート2観察

この少年は深い、とても深い眠りについている。

数日経ってなお目を覚ますことはない。

驚くことに、発見した次の日には細かな傷が癒えていた。すさまじい回復力としか言いようがない。

もしかすると腕や足が千切れようとも再生されるかもしれない・・

だが、その反面体のやつれていくスピードが速い。

再生する事で体の中のエネルギーを大量に消費するのだろう。

燃える物が無ければ消えてしまう炎の様にこの少年もあのままだと死んでいただろう。

私のとれた行動は独学の医療行為だけ・・・

自慢ではないが今の医学は比べると遥かに劣っている。

病気1つとっても『悪い血を抜く』といった考えられないものや、根拠のない迷信やどの植物かもわからない乾燥させた粉といったものばかり。

中には本当に効果の有る物もあるのだろうが・・・

この村ではいちを薬師という事になっている。

薬師とは薬の調合師であり病気や怪我に合った薬を処方する医者の様な存在だ。

効果のある薬草を用意する。もしくは他のものを混ぜてより効果の良いものにするといった具合だ。

まぁ正確に言ってしまうと錬金術に近いのかもしれない。

錬金術とは石を金に変える術である。元のものから別な物へと変換させたり作り出すことである。

私の場合は効果のある薬草からその成分だけを取り出し薬を作り出している。

そしてそれを体に効率よく取り入れる方法も

残念なことに自らの体で体の構造や仕組みを理解する機会が多くあった。

体を癒す方法を理解し学ぶ必要があったのだ。


さて、話をもどそう。

この少年に施した治療

それは体に直接、栄養分の入った管を繋げる事

本来なら血管に繋げなければならないのだが、この少年の場合は少々異なった。

傷を塞いでる何かに管を繋げたところ、ストローで液体を吸うように栄養分を吸収しだしたのだ。

そしてその量は異常だった。

一体、この少年の体のどこへ消えて行っているのか・・・・

それでも少年の血色や顔色が良くなっていくのを見ると確かに効果を与えている。

それを見ると安心し胸をなで下ろす


・・・・・今私はいったい何に〝安心″したというのだ・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ