僕とっても幸せです
今日僕は死のうと思う
三年前に流行病で亡くなった母は
真面目に暮らしていればきっと神様は
見ていてくださるが口癖だったけど
僕を取り巻く環境は悪くなる一方だ
「何が神様だ!そんなのあるもんか」
僕は崖の上の祠に吐き捨てるように叫んで
崖の下に身を投げた
「ん、ここはどこ」
真っ白な何もない空間が広がっている
ここが死後の世界って奴か?
「お前、本当に死にたいのか?」
頭の中に直接声が聞こえる
「誰だか知らないけど、僕はもういいんだ
何もかもどうでもいいんだ」
「10代の子がこの世に絶望するなんて
不憫な世の中じゃ、んじゃがちょうど良い
ぐっどたいみんぐってやつじゃ」
さぁっと視界が開けてきたと思ったら
目の前に小さな神社が現れた
??
中から鳥っぽいおっさんが現れた
「鳥っぽいおっさんで悪かったの」
「!?」
「我こそは海の祠の鴉天狗じゃ」
え〜、なにこの展開は?僕死んだんじゃ
ないのか?
「ヌシは死んではおらぬよ、ワシの祠の横で
身投げなんぞしおって!地縛霊にでもなったら
迷惑だとか考えんのか」
「そんなこと言われたって、神様がいるなんて
思ってなかったんだもの」
「信仰がたらんの、ヌシの母とは大違いじゃ」
「母さんを知ってるんですか?」
僕はいきなり母さんの話を出されて驚いた
「無論知っておる、村の者は全員我の氏子じゃ
中でもお前の母は良く祠に来ておった感心な
娘じゃった、それに比べてお前ときたら
神様なんかあるもんか〜なんて言いながら
命を粗末にしおって」
「死ねば母さんにまた会えると思って」
「残念じゃがヌシの母はもう成仏して輪廻の
輪に乗って新しい命になっておる、それに
自殺した奴は地獄きじゃ、一生成仏した者と
同じ道に行く事は出来ぬ」
僕はとても悲しくなった、下を向き無言で
ボロボロと泣いてしまった
「あ〜、泣くな泣くな。じゃから主はまだ
死んでおらん、地獄にも堕ちん」
「ひっく、だって僕、もう母さんもいないし」
鴉の神様は遠い目をして語り始めた
「ヌシの母は本当に信仰深い良い娘だった
ワシは奴の今際に尋ねたのじゃ、一つだけ
願いを叶えてやるとな、そして娘はこう願った
一人残して行く息子がどうか幸せになれるようにと」
「じゃがな、神さまってぇのは人々の信仰が
何よりも力の源なんじゃ、時代の流れかの
悲しい事じゃ、祠は荒れ信仰するものも減り
ワシの力も衰える一方じゃ、ワシが弱れば
氏子に加護も届かず、さらに信仰は減り
負の連鎖じゃの」
「もう一度神様が元気になるにはどうすれば
いいの」
「フン、昔は人身御供なんぞあったが、ワシは
未来ある若者の命を吸ってまでとは考えとらん
じゃが、ちょうど良いところにお前が降ってきた」
「え、僕が?」
「死のうとしてたんじゃろ?その命ワシが頂く
そうすればたちまちこの地もまた栄える
んじゃが、ヌシの母との約束じゃお前を幸せに
してやろう、はっは、ウィンウィンじゃな」
神様なのにグッドタイミングとかウィンウィン
なんて言葉どこで覚えたんだろう…
神様がフンっと手を挙げると僕の服は
砂のように消えて行った
「え、え、なんで裸にするの」
僕がパニクってると神様はクチバシを
外して近づいてきた、てか外れるんだ
バサバサっと黒い羽に抱かれた僕は
ふわふわした気持ちになってきた
「んぐ、んん」
神様は僕に口付けした、僕は恥ずかしいことに
あそこが大きくなってしまう
「ほーう、立派なもんじゃ」
神様は僕のモノをそっと掴んで自分の
口に運んだ
「ひぃ、だっだめ、やめて、、ああ、なんだこれ
僕の何もかもが吸われていく、ううぁぁ」
「ふぅむ、若い奴の命の味は格別じゃな」
気のせいだろうか、神様の漆黒の羽は
美しい黒光りをして、若返ったように見える
「はぁっ、はぁっ」
代償に僕は大事なものを吸い取られた感じだ
息も絶え絶えに言葉も出てこない
「ぬ、いかんの」
そうって神様はまた僕に口づけをした
暖かい何かが身体中を駆け巡る
体の中で何かが弾けた感じがした
「これでヌシはワシの眷属じゃ、ワシがお前を
ずっと守ってやろう」
「え、いや、なんか僕巫女さんになってる
ってか、え、女になってる?」
「当たり前じゃ、人身御供はもともと村娘を
献上してワシの妾にするのが目的じゃからな
男の妾なんぞおってたまるか、じゃが喜べ
ヌシは妾でなくワシの正妻じゃ」
「え、僕を幸せにするって僕を女にして
嫁にすることがそうなの!?」
「はっは、これじゃから人間は。これ以上ない
幸せじゃろうが、ワシの正妻になる事と比べたら
現世のどんな幸せも小さい小さい」
納得がいかない、、崖から身投げしたら
神様に娶られたって事?
「どうせ死ぬ気でおったんじゃろ、良いではないか」
「僕の幸せ要素皆無なんですがそれは」
「ふむ、そうか、よし、裏の泉で身を清めて来い」
言われるがまま僕は泉に来たんだけど。。
「うわ、人間臭いと思ったら」
声に振り返ると白い馬がいた
「喋る馬?あー神様とか」
「私は鴉天狗が眷属の白馬だ!なぜ人の子が
この聖域にいる」
「好きで来たんじゃないやい、気がつけば神様の
お嫁さんにされてたんだ」
「なに、ついに正妻を迎えられたのか、よりによって
人間とはな、まあ良い、では泉に身を清めに
来たのだろう?仕方あるまい」
白馬は目を細めて僕に服を脱ぐようにいう
「ひゃん」
白馬は僕の身体を舐め始めた
「やっ、なに」
「何って身を清めてやってるんじゃないか」
「うぁ、やめっ、」
白馬は満遍なく僕の体を舐める
僕は変な気分になってきた、身体がアツイ
「さあ、神様の元へ行くが良い」
なんだか良くわからないけど僕はのぼせたような
気分のまま神様のところへ戻ってきた
「ふぅん、人間臭さが消えたの、では始めるか」
むにゅ、いきなり僕の胸を掴む
「え、なにを」
さらに揉みしだく
「ちょ、うっ、んああ」
なんだこれ、えっちな気分になってきた
神様は僕の下半身を見つめ撫で回した後
ぬるりと舌を這わせてきた
「ああああ、だ、だめぇ」
ふぅ、ん、、はっ、僕男の子なのに
これじゃあ本当に女の子みたいじゃないか
「何をいうか、ヌシはもう女じゃ」
そう言いながら神様は僕を下から突き上げる
や、あん、あっ、僕は意識を失った
気がつけばまた黒い羽に抱かれていた
「どうじゃ、よかったじゃろう?」
「なんでそんな自信満々なんだよぉ、、
でも確かに気持ち良かった」
「そうじゃろ、あのまま死んでたらこんな事も
知らぬまま地獄に堕ちとったんじゃぞ」
「そっか、ありがとうございます。なんか
釈然としないけど」
悔しいけどあの快楽はなかなか味わえる
ものじゃない、神様の力が戻ったからか
村は豊かになり、祠に奉納もふえさらに
神様は若返った気がする
「どうじゃ、幸せじゃろう」
悔しいけど僕は今とっても幸せです