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剣の神器使いの諸々~其の2 ~

サブタイトル、長いです。

上手く編集できませんでした。


なので、このままです。


始まり、始まり~☆

どうにか、四苦八苦してゲラルトの拘束から脱出したサキは、文字通り息も絶え絶えだった。


・・・この絡み、何なの?


「だってさぁ、おいてけぼりってさぁ。書類仕事頑張ったのに、おいてけぼりってさぁ。騎士団の鬼畜訓練きっちりやったのに、おいてけぼりってさぁ。勅命書届けたのに、おいてけぼりってさぁ。騎士団の作戦やら配置やらもろもろ考えて手配して速攻で片付けたのに、おいてけぼりってさぁ。

思わずお前のこと追っかけて、」


ここで一息付いて。

それはそれは仕方ないといった風に。

ムカつく笑顔で。


「先回りするよね。」


・・・何だろう。隠密なのに元隠密に出し抜かれてだっせ☆って聞こえる。


先回りできることのほうがおかしいだろっ、と突っ込みたいが、化け物にまともな思考は通じない。

ひとつ深呼吸して立ち上がった。

剣を差して、入口に向かう。


「俺も行っていいかぁ?」

「来るなって言っても付いてくるでしょ?」

「社交辞令だ。」


肩を竦めると、歩き出す。

今日中にやっておきたいことがある。

だから、強行軍だったのだ。




二人が居るのは、町から馬で1時間ぐらいにある山間だ。

離れたところにおあつらえ向きの洞穴がある。そこからは光が漏れ、入口には少々目付きが悪く、いかつい感じの男が二人、立っている。辺りを警戒する様は、イカニモな雰囲気である。


「清掃作業か?」

「ストレス解消を兼ねた実益です。」

「んじゃ殲滅か?」

「半殺しです。」


物騒な会話をしながらスタスタ近付く。

見張りの一人が気付いた頃には、一足飛びに襲いかかり、昏倒させる。

足音のみ消して奥の方へ向かう。

途中、分岐している道はなく、広い空間が開けた。

中では男たちが酒を片手に騒いでいた。あるものは語らい、あるものは肴に舌鼓をうち、あるものは女を侍らせていた。


「結構いるな。50ぐらい?」

「肩慣らしにはちょうどいいかと。」

「準備体操には丁度いいな。」


ゲラルトは、近くにいた男の衿をひっつかんで隣の男に投げつける。2人が状況を把握する前に意識を失う。

サキはテーブルを挟んで反対側の男の延髄めがけて踵を落とす。派手な音をたててテーブルごとひっくり返る。

それまで騒がしかった辺りが急に静かになり、注目が集まり出す。

その間も2人は次々と叩き潰していく。

状況をいち早く気が付いたものから獲物を手に襲いかかる、

あっという間に内部は混戦となる。




どれぐらい倒しただろうか。

体術では段々埒があかなくなり、敵から奪い取った刃こぼれだらけの剣で叩きのめしていた。

ややうんざりしてきたその時、動きの違う者が一瞬視界に入った。


・・・見つけた。


目を向けたときには、2階の手摺からサキを一瞥し、走り去ろうとしていた。

直ぐに丁度いい足場を探す。


「隊長、そのまま!」


ゲラルトまで一気に差を詰めると、腰、肩の順に足掛かりにして2階まで飛び上がる。

着地と同時に暗器を投げつけ走る。

動きが怯んだ隙に、更に投擲。

避けられないと判断して応戦の構えをとれば、こっちのモノだ。

直ぐ様倭刀を抜刀し、打ちつける。

大した致命傷を与えられないことは重々承知だ。

手数を増やして一気に追い込む。


「ぐっ‼」


相手の獲物が弾け飛び、脇腹に一撃を入れる。

バランスを崩して座り込んだところを、腰ひもからズボンにかけて刀を床に突き刺す。これで簡単に逃げられない。


『古の盟約により、我に示せ。』

「?!なぜそれを?!」


目を剥く相手の背中からどす黒い靄が上がる。

それはあっという間にサキの背後に回り、入り込んだ。

サキの瞳が真っ赤に染まる。


「お前、それで幾つ目だ?」

「あなたたち朧は、感じることが出来るでしょう?」


朧と呼ばれた者が僅かに動揺を見せる。


「・・・成る程。主が選んだのなら従うまでだ。」


朧の体がゆらりと揺れる。

右の肩からヒビが入る。呼吸する動きに合わせるようにそれはたちまち広がっていく。


「お前が後悔や罪悪感を持つ必要はない。お前は我らを助けたのだ。」

「・・・・・・」

「・・・これでやっと帰れる。逢える。」


朧は静に遠くを見る。

まるでそこに、忘れ物を、ずっと焦がれていたものを見つけたように、なんとも言えない憂いを含んだ目で見つめる。

ヒビが全身に行き渡る。右の肩からザラザラと崩れていく。


「ありがとう。そして、業を背負わせて、すま、な、い」


崩れたそれは、更に崩れて、砂よりずっと細かくなって、やがて空気に紛れるみたいに、なにもなかったかのようになくなっていった。

後には床に突き刺さった倭刀だけが残った。

近付いて刀を抜く。

一振りして眼前に持ってくる。

刃こぼれのない刀身。そこに真っ赤な目の自分が映る。

鞘に戻すと、踵を返す。

ぎょっと止まる。

そこにいたのはゲラルト。

彼にしては無表情で、両腕を組んで立っている。

話をするのも憚れるほど緊張した空気が場を占める。


・・・見られたとしても、どうすることも出来ない。

・・・知っていたとしても、どうすることも出来ない。


サキは溜め息を吐くと、ゲラルトに向かう。


「終わったなら帰りましょう。報奨気が出るので、飲めますよ。」


ゲラルトも溜め息を吐く。

ガリガリ頭を掻いて、


「安いおつかいだったな。」


2人並んで帰路についた。





・・・なんとなくご存じかと思いますが、あの金髪ゴリラのせいでエロの方に行きそうです。

言うこと聞いてほしいです。


自由人め‼


読んでいただきありがとうございました。

ではまた水曜日に。

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