父の日記
俺の腕の中で眠る我が子
あまりに小さくて
驚きの声をあげてしまった
妻には頭が上がらない
俺にはできない
こんなに可愛いものを産むなんて
小さいけれど
どっしりとした雰囲気
小さいけれど
生意気な悟り顔
今はパパで
そのうち、お父さん
最後は親父と呼ばれたい
俺が呼べなかったから
男の子、だから
わかりあえればいい
ぶつかったっていい
嫌われてもいい
病気がちな身体
俺がきっと元気にしてやる
いっぱい食えるようにしてやる
病気なんか吹き飛ばしてやる
俺より先には
死なせない
絶対に
汚い字だった
やたらと濃い字だった
たった二ページしか使われなかった
分厚い日記帳に
僕の知らなかった
どうしようもなく若い頃の
親父がいた