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黄昏のエッダ  作者: 羽月
百足
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光明

吉井が長官を見送るために退席すると、会議室の緊張は一気にほぐれた。ほっとしたため息が一室を包む。ムカデの脅威は去った。だけでなく、これからは強大な魔族にも対抗していける。改めて安堵と希望に胸が湧く。すっと席を立つロキに視線が集まった。彼はその視線に気づかない風に菅原の傍らに立った。ロキの幼少期からここに来るまでの軌跡は、海辺で彼に会う前にすでに報告してあった。菅原は、ロキを脅してしまった事、怯えさせた事に気まずさを感じているようだった。


「菅原さん、俺、なんも知らないで生意気ばっか言ってすいませんでした」


そういって深々と頭を下げるロキを、動揺の表情で見守っていた菅原が、唖然と見る。


「ば、ばか、先に謝るな!」


「へへ、先手必勝っす」


さっと起き上がり、悪びれもしないロキに、周りからくすりと笑い声が起きる。彼の笑顔を、その周りの空気を、大槻は眩しく見る。この素直さ、おおらかさを、彼の育ってきた環境のせいにしてしまうのはきっと間違いなのだろう。そして、彼の、現存の人類で最大の神の遺伝子の保有率のせいにする事も。

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