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バレンタインSS<2014Ver.> 女子会

バレンタインSS内容

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バレンタインネタ。

ただし女子たちでお菓子作って食べてるだけ。

落ちらしい落ちもないしもりあがりもない。


※全てif話。物語の進行上にはまったく関係ございません。

※書きたかったからかいた、それだけです。苦情は受け付けません。


・キャラ崩壊しているかも?気をつけてご生還ください。

・本編のネタバレ要素は多少有り。本編読後推奨

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 それは2月の半ばあたりの休日。

 せっかく学校がないというのに、早朝からあたしはなぜかキッチンに立たされている。

 その左右にはおそろいのピンクのエプロンを付けた真田さんと聖さんがいる。


「寒いけど、いい天気だね!絶好のお菓子作り日和だね!」


 絶好調にテンションの高い聖さんはやる気満々で腕まくりをしている。


「そうだね。晴れてたほうが、バターとか溶け易くなるから楽だしいいね」


 ボールを用意しながら真田さんが、なぜか片目を瞑る。

 相変わらず、王子様然とした姿にピンクのエプロンは似合わなさそうで、にあっている。美人だからだろうか。


 あたしも同じものを着せられているが、多分にあってないだろうな。

 二人の美少女に囲まれ、はっきり誰かに見られたくない光景だ。


「あれ、環ちゃん。テンション低いよ!」

「聖さんはいつも元気だね!」

「取り柄だもん!」


 えへへ、と笑われれば、確かにと思う。

 彼女から元気をとったら、美人だとか、勉強ができるとか……結構残るな、すごいな、ヒロイン。


「ほら、二人ともじゃれあってないで、作るよ?」


 量が多いから、さっさと作らないとと言われれば、動かないわけにはいかない。

 慌てて聖さんと一緒に動き出す。


 あたしたちが揃ってキッチンで何をしているかといえば、数日後に迫ったバレンタインで配るお菓子の制作だ。

 主に真田さんのお手伝いという名目で借りたキッチンでチョコレートクッキーを作る。

 お菓子名人の真田さんはこの時期大量のお菓子を作って配っているらしい。ファンクラブすら持つ彼女のお菓子はなかなか大勢の人がほしがるらしいが、全員分を一人で作るのも骨が折れるので、手伝って欲しいということでここに立っている。


 手伝いといっても真田さんの指示通りに動いているだけだ。

 あたしはあまりお菓子のセンスはないので、真田さんの手腕にはただただ脱帽である。


 結局かなりの寮を食堂のオーブンで焼き切ったのは、午後も回った時間帯だった。

 手伝ってくれたお礼にと振舞われたチョコレートケーキを食べながら、お茶を飲む。

 正直先程までむせ返るようなチョコレートクッキーの匂いに囲まれていたので、チョコケーキが出てきた時にはお腹いっぱいな気がしたが、一口食べれば、美味しくて気にならなくなった。

 それぞれの前に置かれたお菓子のプレートは華やかにデコレーションされており、それぞれ味の違うムースが添えられているというこり用。

 プロの味にも引けをとらない真田さんのスイーツを味わっていたら、聖さんが口を開いた。


「それにしても作ったね、一体何人分?」

「ん、ざっと百人分かな」


 さらりと、真田さんの答えた数に愕然とする。


「え?そんなに?」

「うん。でも正直足りるかどうかわからないな」

「ええ?これだけ用意してて足りないの?」


 真田さんの言葉にさらに聖さんと驚けば、苦笑いが返ってくる。


「いや、なんかその日に会った人に渡していたら、変に広まってね」


 真田さんいわく、中学時代、チョコレートをあげる人数を把握するのが面倒で、必要数以上を持って行って来る人に全員配っていたら、評判になってそれ以来バレンタイン当日に会いに来る人が増えたのだという。


「それはすごいね。でも気持ちはわかるな。希の美味しいもんね」


 本当に美味しそうに添えつけられたクッキーを食べる聖さんの意見に同意する。


「確かに。こんなの毎年もらってたら他の人のなんて欲しくなくなるんじゃないかな?」

「それは褒めすぎ。二人とも。それに私はちゃんと他の人からの欲しいよ?」


 それがなんとなく催促な気がした。目の前に出されたお菓子を食べているので断りにくい。だが、これだけのお菓子をもらってお返しのチョコレートなど釣り合い取らせようとなると、どんだけ高いチョコを買えばいいのだろう。

 思わず、うなってしまえば。真田さんの苦笑が聞こえた。


「難しく考えなくても安いのでいいよ?」

「そうだよ、環ちゃんがくれるならなんでも!」


 あれ?なんで聖さんにもあげる前提になってるんだ?わけがわからなくなっていたら、なおも聖さんが力説してくる。


「環ちゃんがくれるなら、賞味期限切れでもいいし、いくらでも食べられるよ!それこそトラックいっぱい分でも」

「利音、それは流石に体に悪いよ?」

「いや、それ以前にトラックいっぱい食べられるわけがないでしょ?用意もできないし。それに流石に賞味期限切れは渡さいよ」


 流石にそこまでケチじゃない。


「え?じゃあくれるの?チョコレー卜」


 驚く聖さんに、催促したのはそっちではないかと思ったが言わなかった。


「あんまり期待しないでね」

「た、環ちゃんからもらえるなんて……夢みたい」


 何をそんな大げさな。妙に感動している聖さんに呆れる。

 そんなあたしたちの様子を面白そうに見ていた、真田さんが「ところでさ」と話題を変えてきた。


「二人のチョコケーキ、味はどうかな?」


 聞かれて、先に答えたのは聖さんだった。


「うん、美味しいよ。いちごの甘酸っぱさが中にあって・・・・・・」

「え?中のって杏じゃないの?」


 聖さんの答えが、自分のものと異なることに驚いて思わず声を上げれば、真田さんがいたずらが成功した子供みたいににやりと笑った。


「見た目同じだけど、中に仕込んだものはそれぞれ違うケーキなんだ」


 聞いて、聖さんの食べかけのケーキを見る。

 一見全く見分けがつかない。飾り付なんかも同じだからか。

 ううん、どんな味が気になるな。


「環ちゃん、こっち食べてみる?」

「え?いいの?」


 言って、聖さんはフォークを人差して、ケーキを乗せたフォークを差し出してきた。


「環ちゃん、あーん、なんて……」

「え?ありがとう」


 差し出された聖さんのフォークにパクリと口に含んで、咀嚼すれば、確かにいちごの酸味が効いていて、これはこれで美味しい。

 まったりケーキの味を楽しんでいたら、不意に聖さんの様子がおかしいことに気づく。

 なんか、ブルブル震えながら、あたしが食いついたフォークを見ている。

「た、環ちゃんが、あーんって……」という言葉が聞こえて、あたしは慌てた。


「あ、ごめん。フォーク使っちゃった」


 慌てて、新しいフォークを探す。

 うわ、やっちゃった。幼馴染である香織とは別々のものを食べてたら、何気なく食べさせ合いで味見とかやっていた。思わず、そのノリでやってしまったが、友達同士でも嫌がる人がいる。

 人の口にしたものをまた口に入れるとかきたないと思う人もいることを失念してしまった。

 運良く卓上に未使用のフォークがあったので、それを聖さんに差し出した。


「あ、ごめん。ばっちいよね。新しいフォークを……」

「え?!いや、いいの!新しいのとかいらないの!」

「え?でも……」

「いいの!むしろこのフォークじゃなきゃダメなの!」

「聖さんがいいならいいけど」


 嫌だから見ていたのではないのだろうか。

 首をかしげていたら、あたしたちの様子をじっと見ていた真田さんがぼそっと何かをつぶやいた。


「……魔性」

「?何か言った?真田さん」


 小さくて聞き取れなかったので聞き返せば、真田さんは笑って、首を振った。


「いや、ところで多岐さんさ。そんなこと男相手でもするの?」


 笑いながらとはいえ、指摘され、自分の無作法を咎められたようで、少し恥ずかしくなる。


「え?いや、流石に女の子同士だけだよ」

「それを聞いて安心したよ」


 何が安心なのだろう。

 わけが分からなかったが、別の話題に移ったので、追求を忘れてしまった。

 その後、真田さんのケーキを頂いた後で自分の手作りとか恐れ多くて渡せなくて市販品を二人に送った。

 それはそれで二人とも喜んでくれて、お返しにチョコをまたもらうことになる。

 少しだけこれってホワイトデーにお返しが必要なのだろうか、とお財布の心配をしつつ、女の子同士のその年のバレンタインデーは終わった。

女の子のバレンタイン。それだけ。ハッピーバレンタイン!

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