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ハロウィン1

とっても短い黄土の双子のハロウィンねた。


続きものの冒頭です。

続きはもうちょっとお待ちください。イベントネタなのにもうしわけない(汗


※全てif話。物語の進行上にはまったく関係ございません。

※書きたかったからかいた、それだけです。苦情は受け付けません。


・舞台設定は10月。パラレルなので時系列はもはや関係なく。

・環さんとは何もない状態です。ぼぼ初期値環さんの好感度くらいかな~。


・キャラ崩壊しているかも?気をつけてご生還ください。

・本編のネタバレ要素はありませんが、本編読後がもちろん推奨


「「トリックオアトリート」」


 ユニゾンのそんな掛け声に、あたしは頭が痛くなった。

 いつから日本は西洋のお盆を祝うようになったのだろうか。

 ハロウィンは言ってみれば西洋のお盆だ。

 幽霊をお迎えする儀式になんというか、失礼ではないだろうか。

 それを一体この学園で理解している人間はどれくらいるのだろう。


 考えてみればクリスマスだって、宗教の開祖で神様の誕生祝いだ。

 それにかこつけて信者でもないのに騒ぐとはどういう了見だろう。


「……環ちゃん、眉間にしわが寄ってるよ?」


 不思議そうな顔の聖さんがあたしを覗き込んでくる。

 その姿はいつもの制服に何故か黒いマントを羽織っている。さらには頭にはつばのついたとんがった黒い帽子が乗っている。……なかなか素っ頓狂な出で立ちだが、美少女は何を着せても似合うようだ。

 そして、あたしも悲しいかな今、同じ姿をしている。聖さんより背が高い分、おそらく痛々しいことになっているだろう。

 ううう、なぜこんなことに。


「……やっぱりあたし、帰っちゃだめ?」


 あたしの言葉に今度は聖さんが眉間にシワを寄せる。


「ダメだよ。勝手しちゃ。せっかくのお祭りなんだし楽しもうよ!」

「そうだよ!」


 聖さんの言葉に目の前の黄土の双子の片割れが口を尖らせた。統瑠だ。

 その姿は一体何があったのか。揃いの黒い猫耳に黒異ベストに蝶ネクタイをつけた半ズボン姿だ。尻にはだらんと下がった黒しっぽがついている。

 いまさらコスプレがどうとは言わないが。異様ににあっているのが、正直ドンびく。

 同じ姿でなぜか眼帯をつける翔瑠がニッコリと笑った。


「せっかくの月下騎士会主催のハロウィンパーティーなんだから楽しんでよ」

「そうそう、趣向を凝らして魔女様たちを歓迎するんだからさ」


 翔瑠と同じように笑う統瑠のセリフに顔がひきつる。

 魔女様って、ああだから黒マントととんがった帽子なわけか?

 ハロウィンの仮装ということか。

 突然、これを着ろっていうから何かと思ったが。正直全力で拒否したかったが、入口で魔王がいるんだもんな。逆らえなかった。くっそう。

 ってか、なんで魔王は仮装免除なんだよ。月下騎士会主催なら、こちらはもてなされるはずなのに、拒否権一切無しって、とんだ罰ゲームだ。


「ルールはわかってる?」


 翔瑠がそう聞いてくるので、あたしは嫌々ながら黙って頷いた。


 受けた説明はこうだ。

 ハロウィンゲームはそれを持って迷路になっている裏戸学園の森の中を進みゴールを目指す。

 途中に妨害があってハロウィンのお化けに紛争した月下騎士たち、実際に人外だな、に「トリックオアトリート」という例の掛け声をかけられる。


 参加者にはあらかじめ入口で飴が三個渡されている。


 お化けにアメをあげると彼らは退散する。でもアメをあげなかったり、出くわした時点でアメを持っていないとモンスターにつかまりゲームオーバーとなる。

 迷路を無事に抜けてゴールができればご褒美がもらえるらしい。

 ちなみに何かは受け取ってからのお楽しみということだ。

 ……なんか、全力で、嫌な予感しかしない。


 ちなみに行事は強制参加だ。

 あくまでも拒否権ないとか、全く参加者に優しくない。

 去年まで任意だったじゃないか。

 だが、でないと内申に響くらしいので、渋々出るしかなかった。


 思わずため息を吐くあたしに、実に楽しそうに双子が笑いかける。


「じゃあ、どうする?」

「トリックオアトリート?」


 さっさと終わらせたいので、いっそここでゲームオーバーという選択肢も考える。

 だが、一応尋ねておく。


「ちなみにお仕置きは?」


 そうなのだ。実はゲームオーバーになると各モンスターからお仕置き去られるという特記事項がこのゲームにはある。

 お仕置きはその場でモンスターが考えるということで、お気に入りの月下騎士に出くわしてお仕置きされるのが楽しみと言っていたクラスの女子がいたのを思い出す。

 まあ、内容がペンで落書きされたり、優しいデコピンだったりいたずらというより月下騎士のファンからすればむしろファンサービスでしかないので仕方がないか。

 らくがきとか顔にされるのは困るが、デコピンとかでこの苦行が早々に終わるならそれでもよいかと聞いてみた。ちなみにモンスター側はこの質問に答える義務はない。


「ふふ、なんだと思う?」


 案の定答えるつもりはないようで統瑠が楽しそうに笑っている。

 その顔を見てあたしは迷わず、「トリート」を選択して二人に押し付ける。

 正直双子なので一気に二つ消費はキツイ。

 しかし、あたしの中の何かが囁く。ここは逃げるべき選択だ。

 あたしが渡すと、聖さんも「じゃあ、あたしも」と気楽に双子にアメを渡した。


「あれ?二人とも飴渡しちゃうの?」


 驚いた顔の翔瑠は途端、つまんなーいと口を尖らせた。


「環ちゃんならきっと、早く終わらせたいから悪戯(トリック)を選ぶと思ったのにな」

「……ちなみにお仕置きは?」


 再度同じことを問うあたしに統瑠がにやにやと笑う。


「環ちゃんには翔瑠、利音ちゃんには僕が頬にキス」


 その答えにあたしは自分の判断力を賞賛した。

 グッジョブ、あたし。

 過去のお仕置きのどれにも当てはまらないが、まさか頬にキスとか。

 回避できてよかった。下手にそんなことがファンクラブにバレでもしたら、何されるかわからない。


「っな!」


 統瑠の言葉に何故か驚きの顔を返す翔瑠。あれ?こっちは全く予想外だったのか。


「み、統瑠!そんなの僕、聞いてない」


 何故か顔を赤くしている翔瑠に、統瑠が面白そうに笑う。


「そりゃ、ハロウィンだからね。サプライズは身内にも、てね!」


「でも残念でした!」と手を上げる統瑠に顔を赤くして双子の片割れを睨む翔瑠。

 二人でじゃれているところ悪いがあたしはさっさと帰りたいので、別れを告げて聖さんと共にその場をあとにした。


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