第4話
俺は成り行きで強くなるための修行を行う必要ができた。
「ゴルドーさんはパワーゴブリンという名前からもわかる通り力に特徴があります。ですがそれは腕力だけが強いわけではなく脚力も高いため速くて強いです」
「力が強いうえに速さもあるって……そういうのが一番厄介だったりするんだよな~……」
「ですのでゴルドーさんに勝利するには力に力で対抗するか回避を続けるかしか方法はありません」
「……ちなみに魔法とかって使っても大丈夫?そういうタイプって遠距離から対処するのが一番だったりするんだけど?」
そういって俺は水を生み出して操作する。するとエリーは驚きの表情を見せる。
「どうしてユウジ様が水魔法を……まだ進化もしていないと予想していたのですが……」
「ああ、うん。進化はまだだね。ちょっと事情があってさ」
「……どのような事情があればゴブリンが進化もしていないのに魔法を扱えるのかわかりませんが……魔法は使わないほうがいいでしょう。接近戦が苦手であればその限りではありませんが……」
「まあ苦手ってわけではないかな。ハイスキルに格闘もあるしノーマルスキルだけど剣術もあるからね」
「……本当にユウジ様は何者なのですか?……」
「まあ……お互いが生きて誤解が解けたときにでも教えるよ」
というわけでゴルドーに有効そうな水魔法に関しては使用しない方向で行くことにした。あくまでも勝負は近接にて行い魔法は緊急の時とした。
「んじゃあ行くか」
「おそらく村ではユウジ様の捜索隊が結成されているでしょうから慎重に進みましょう」
「了解」
こうして俺はエリーと共に周囲を警戒しながらも対ゴルドーとの戦いに向けて近接戦闘を鍛える修業が開始された。
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こうして俺たちは数日間を修行に費やした。ふつうはたった数日間で何が変わる?と疑問を抱くかもしれないがスキルが存在するこの世界には当てはまらない。特に俺なんかはまだ生まれて数時間だったので戦い方もまだ試行錯誤状態だったし、命を懸けた戦闘の経験をたくさんすることでも動きがより洗練されていくのが自分のことながら分かった。
「とっしっ!?」
「ゴア!!」
俺はいまレッドベアーと呼ばれる赤い熊と対峙中。突進スキルにて一気に接近しようとするとレッドベアーはその速度に対応してカウンターを仕掛けてくる。
「くっ!?」
バサァ!
俺はビッグバタフライから学んだ飛行B(1)にて翼を生やして空を飛ぶ。ちなみにビッグバタフライからはもう1つ察知B(1)のスキルも獲得したのでこれで奇襲などに強くなった。
「だめだな……咄嗟に上空に逃げてしまう。これだと接近戦を好むっぽい脳筋は不服かもしれない……なるべく飛行は使わない用意しないと……」
ちなみにこの数日間で俺が獲得したスキルは飛行と察知のほかに毒のスキルも獲得した。まあこれも当然ながら決戦には使えない。ほかは剣術Cが(7)→(8)になったり乱用した突進Bが(5)→(7)になったり。
「突進は無闇矢鱈とやっていいものじゃないな。その速度に反応されたらカウンターの絶好の機会を与えてしまう……やっぱり勇気をもってこっちで戦ったほうがいいか……」
そう言って俺が見ているのは自身の腕。俺のスキルで一番高いのは剣術スキルではなく格闘スキル。なら剣を振るよりも格闘で戦ったほうが強いに決まってる。
「……相手は爪が鋭くて力も強い……俺には掠ることも許されない無傷での勝利が必須……相手の動きに注視してビビらずに前進する……」
決意を新たに目を開き俺は剣を鞘に納めて歩き出す。さっきの二の舞とならないように突進どころか走ることもしない。
「ゴアア!!」
そんな俺を見てレッドベアー自らが駆け出し襲い掛かってくる。俺はそのレッドベアーのわずかな動き出しすらも見逃さないように注視。
「(右前足の振り下ろし)」
ブン!!
ズサアア!!
レッドベアーの動きを見切ることができた俺は回避に成功したがその一撃が地面に当たるとその地面は大きなクレーターを形成した。
「(ビビるな……見切れてるんだ……問題ない)」
その時に俺が思い出していたのは超人的な動きをして戦う大人気アニメに登場する柔術キャラ。学ぶの効果もあってか柔道の経験が活かされているのかその動きの再現が可能だった。
「ゴアアアア!!」
ブン!!!
今度は一撃で終わらすつもりがないのが見え見えの両前足での連撃。しかしそれを俺は柔術で回避する。
「……枝垂……」
ズサササアア!!
「ゴア!?」
枝垂・・・それは特殊な足運びと重心移動にて相手に瞬間移動をしたのではと錯覚させる歩法。俺はその枝垂によって先ほどは失敗したレッドベアーに急接近を可能とした。
「……崩心……」
それは掌底技。強い踏み込みから全身の力を螺旋を描き右手に集約させる柔術キャラの必殺の一撃。さらにそこにオーラで身体強化を施し先ほどレッドベアーから学んだ増強B(1)を加えて打ち込む。
ドゴン!!!!
「ゴッ!?」
バタン
「ふう……やっぱり俺は剣よりも素手での戦闘があってるかもな……」
こうして俺は着実に強くなっていた。そしてとうとう決戦の日がやってきた。
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