表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
漫画創世記~ペン先は世界を描いた~  作者: かつを
第4部:失われたペン先編 ~時代の波とWebの衝撃~
121/131

韓国から来た黒船、Webtoonの襲来 第3話:スマホファースト

作者のかつをです。

第十九章の第3話をお届けします。


スマートフォンの普及が変えたのは、通信手段だけではありませんでした。

「片手で操作できる」という物理的な制約が、コンテンツの形式そのものを変えてしまう。

デバイスの変化が文化を変える瞬間を描きました。


※この物語は史実を基にしたフィクションです。登場する人物、団体、事件などの描写は、物語を構成するための創作であり、事実と異なる場合があります。

2013年、LINEマンガがサービスを開始した。

メッセージアプリとして日本のインフラとなりつつあったLINEが、漫画事業に本格参入したのだ。


当初、そのラインナップの中心は日本の出版社の人気作品、つまり「横読み」の漫画だった。

しかし、彼らは水面下である実験を進めていた。

韓国で人気のWebtoon作品を翻訳し、「タテ読みマンガ」として配信し始めたのだ。


彼らがターゲットにしたのは、従来の熱心な漫画ファンではなかった。


通学中の電車で片手でつり革を持っている学生。

寝る前の布団の中でスマホをいじっている会社員。

家事の合間に一息ついている主婦。


彼らは「漫画を読みたい」のではなく、「スマホで暇つぶしをしたい」人々だった。


そんな彼らにとって、小さな画面でいちいち拡大しなければセリフが読めない横読み漫画は、実はストレスフルなものだった。

一方、親指一本でサクサクと読み進められる縦スクロール漫画は、驚くほど快適だった。


「スマホファースト」。


PCでも紙でもなく、スマートフォンで読むことだけを最適化したデザイン。

それが、これまで漫画をあまり読んでこなかった層、あるいは漫画から離れていた層を掘り起こしたのだ。


さらに、彼らは「無料連載」というモデルを持ち込んだ。


「待てば無料」。

毎日決まった時間にチケットが回復し、続きを無料で読むことができる。

続きが気になって待ちきれない人だけが、お金を払って先読みする。


このゲームアプリのような仕組みは、日本の出版業界にとっては禁じ手にも思えた。

「漫画は単行本を買って読むもの」というビジネスモデルを崩壊させかねないからだ。


しかし、ユーザーはこの仕組みを熱狂的に支持した。

毎日少しずつ読むという習慣が、生活の中に組み込まれていった。


LINEマンガ、そしてcomicoといったアプリが牽引する形で、縦スクロール漫画は日本の若者たちの間に少しずつ浸透していった。


「日本の漫画は面白い。でも、スマホで読むなら縦の方が楽だよね」


そんな声が聞こえ始めた頃、もう一つの黒船が日本に上陸する。

韓国のIT大手カカオが送り込んだ刺客、「ピッコマ」である。


彼らは、さらにアグレッシブな戦略で、日本の漫画市場のシェアを奪いにかかることになる。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


comicoがサービスを開始した当初、掲載作品はすべてオリジナルの縦スクロール漫画で、しかもすべて無料でした。この衝撃的なデビューは、日本の電子コミック市場に大きな波紋を広げました。


さて、LINEマンガに続いて現れた「ピッコマ」。

彼らはある画期的なヒット作を武器に、日本のランキングを駆け上がります。


次回、「ピッコマの逆襲」。

Webtoonのポテンシャルを証明した、ある作品の物語です。


物語の続きが気になったら、ぜひブックマークをお願いします!

ーーーーーーーーーーーーーー

もし、この物語の「もっと深い話」に興味が湧いたら、ぜひnoteに遊びに来てください。IT、音楽、漫画、アニメ…全シリーズの創作秘話や、開発中の歴史散策アプリの話などを綴っています。


▼作者「かつを」の創作の舞台裏

https://note.com/katsuo_story

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ