第7話 初夜
季人、千春の2人から始まる阿久戸一家。
ホテルのロイヤルスイートに無賃宿泊決定。
従業員にバレないようにドアにカギをかける。
念のため重たい家具でドア前をふさいでおく。
#####
「これでよし。季人ちゃ〜ん、先シャワー入っちゃって〜」
「は〜い」
「着替えはこのガウンを着てね。季人ちゃんが終わったらママが入るから」
「ママもいっしょにどう? その方が早いよ?」
「いやぁね、《《こういうこと》》の前は1人で入るのものよ。お手入れしたいところもあるし」
「こういうこと?」
「しらばっくれちゃって……代償よ♡」
「え?! 今から?!」
「毎日って約束でしょ? それに今日はママがんばったからね、『雷光』撃ったりホテルに侵入したり……補給しなきゃ♡」
「う……そう言われると……」
「でしょ? だったらキレイキレイしてらっしゃい。ママにどこをペロペロされてもいいようにね♡」
「例えばどこ?」
「例えば……ベロの裏っかわ、とか? ほりゃ、けっきょうザラザラひてるでしょお? ここに|ひょごれがたみゃっちゃうきゃら《汚れが溜まっちゃうから》、|ちゃあんとうぎゃいひなきゃ《ちゃんとうがいしなきゃ》ダメよぉ?」
「ママのベロ、すっごい長い……ヘビさんみたい」
「ん〜自慢のベロよ♡ これで体液1滴残らずすくい取ってあげるからね♡」
「ひゃ〜」
30分後、湯上がり季人がガウンを着て出てきた。
「さっぱりした〜久しぶりにお湯なんて浴びたよ」
「大丈夫? 1人で洗えた?」
「うん、ボディーソープとシャンプー間違えた以外は完璧だったよ。うがいもしてベロも洗ったんだから」
「すごいね〜よくできたね〜♡ よしよし」
「エッヘン! どんなもんだい!」
「じゃあママもキレイキレイしてくるから、先にベッドで待っててね〜」
「は〜い」
(ママは今ごろ服を脱いでるんだな。そりゃそうだ、シャワー浴びるんだから)
(ママってスタイルすごいもんね。身長なんて僕の倍くらいありそうだし、手足はシュッとしてるのにお胸とお尻はたゆんたゆんだし)
(そんなママが裸で……)
(……)
季人は寝室に行くのをやめて脱衣所をのぞく。
(ワンピースも下着もあっちに脱いである……ホントに裸なんだ)
「〜♪〜♪」
(鼻歌なんか歌ってる……キモチイイのかな)
(今どこを洗ってるんだろう……髪? 腕? 脇? 胸の下? それとも……)
(あ、バスルームの扉から中が透けて見える……かも)
(ママ、ママァ……)
しばらくして。
「さてと、こんなものかしらね」
(あっ?! もう出てくる! マズい、寝室に行かないと!)
(何してんだ僕……ママのシャワーをずっとのぞいてたなんて……よくない、よくないよ)
(えっと確か寝室は……ここだ)
(おっきなベッド。6人くらい横に寝られそう)
(フカフカ越えてモフモフ、カラダが埋もれちゃう)
(今からここでママに代償を……た、体液を……)
「う〜! 緊張してきた〜!」