第4話
スプリングスから提示された代償は体液だった。
何でも膨大な魔力が溶け込んでいるかららしいが、
そんなことより毎日吸われることに衝撃。
おめめペロペロだけでガクガクにされた季人。
それを毎日好きなだけヤられるという。
嬉しいような大変なような。
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「というわけで契約を進めましょうね〜代償は体液ということで、次はワタクシに叶えてほしい願いを何でもお申しつけください」
「何でもいいの?」
「モチのロン。例えば嫌いなあの人をコ◯したい、国を滅ぼしたい、世界征服したい……」
「物騒だなぁ、そんなことまでできちゃうの?」
「だつて悪魔ですもの。他の魔法も見てみます? こんな感じで……」
「やめて! おててで雷ビリビリさせないで、怖いから!」
「はいはい〜で、願いは?」
「急に言われても……」
「ささやかな願いでも構いませんよ。自然豊かな場所で静かに暮らしたい、どこかにいる家族に再会したい、永遠に愛してくれる人がほしい……」
「う〜ん……」
「ワタクシをお望みでしたら喜んで♡ 季人様の妻でも母でも妾でも奴隷にでもなりましょう」
「奴隷? ダメだよそんなの」
「意外とハマるかもしれませんよ? 想像してごらんなさい。自分よりずっと大きくて美しくて強い存在を足蹴にする。逆らうことなどない絶対服従、衣服を剥き肌を傷つけ肉を裂き、涙を流し悶絶しながらも懇願してくるその様はまさに家畜……」
「も〜いい! も〜ヤメて!」
「ウフフ♡ 季人様はお優しいですね。もっとワガママになってもよろしいのに。今までつらい思いをなさったのでしょう? 悪魔にすがりたくなるほどに」
「それは……」
「ずっと1人ぼっちだったんですか? ご両親はどちらへ?」
「知らない、顔も見たことない。僕を捨ててどこかでのうのうと生きてるんじゃない?」
「誰かに助けてもらおうとしました? 警察や役所には?」
「行ったよ。でも相手にしてくれなかった。忙しいからって門前払い。汚いものを見るような目で追い出されたの、まだ覚えてる……」
「じゃあずっと1人で生活を? 衣食住はどうなさったんです?」
「服はゴミから漁って公園の水道で洗って着てた……食べ物は飲食店の残飯を盗んできて……寝るところは路地裏で段ボールを重ねて……」
「なんと……なぜそんな目に遭わなければならないのですか? 季人様にいったいどんな罪があるというのでしょう?」
「僕が聞きたいよ! なんでこんなつらい思いしなきゃいけないんだ! 他の子どもはかっこいい服を着て、毎日おいしいもの食べて、ふかふかのベッドで寝てる! どうして僕だけこんな目に……! ただ産まれてきただけなのに……!」
「そうです、心に溜まった本音を吐き出してくださいまし。ワタクシはそれを喰らいにきたのです」
「ちくしょう……こんな世界どうなったっていい……僕には関係ないんだ……」
「さぁお聞かせください、季人様の願いは?」
「僕の願いは……」