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第4話

 スプリングスから提示された代償は体液だった。

 何でも膨大な魔力が溶け込んでいるかららしいが、

 そんなことより毎日吸われることに衝撃。


 おめめペロペロだけでガクガクにされた季人。

 それを毎日好きなだけヤられるという。

 嬉しいような大変なような。


#####


「というわけで契約を進めましょうね〜代償は体液ということで、次はワタクシに叶えてほしい願いを何でもお申しつけください」


「何でもいいの?」


「モチのロン。例えば嫌いなあの人をコ◯したい、国を滅ぼしたい、世界征服したい……」


「物騒だなぁ、そんなことまでできちゃうの?」


「だつて悪魔ですもの。他の魔法も見てみます? こんな感じで……」


「やめて! おててで雷ビリビリさせないで、怖いから!」


「はいはい〜で、願いは?」


「急に言われても……」


「ささやかな願いでも構いませんよ。自然豊かな場所で静かに暮らしたい、どこかにいる家族に再会したい、永遠に愛してくれる人がほしい……」


「う〜ん……」


「ワタクシをお望みでしたら喜んで♡ 季人様の妻でも母でも妾でも奴隷にでもなりましょう」


「奴隷? ダメだよそんなの」


「意外とハマるかもしれませんよ? 想像してごらんなさい。自分よりずっと大きくて美しくて強い存在を足蹴にする。逆らうことなどない絶対服従、衣服を剥き肌を傷つけ肉を裂き、涙を流し悶絶しながらも懇願してくるその様はまさに家畜……」


「も〜いい! も〜ヤメて!」


「ウフフ♡ 季人様はお優しいですね。もっとワガママになってもよろしいのに。今までつらい思いをなさったのでしょう? 悪魔にすがりたくなるほどに」


「それは……」


「ずっと1人ぼっちだったんですか? ご両親はどちらへ?」


「知らない、顔も見たことない。僕を捨ててどこかでのうのうと生きてるんじゃない?」


「誰かに助けてもらおうとしました? 警察や役所には?」


「行ったよ。でも相手にしてくれなかった。忙しいからって門前払い。汚いものを見るような目で追い出されたの、まだ覚えてる……」


「じゃあずっと1人で生活を? 衣食住はどうなさったんです?」


「服はゴミから漁って公園の水道で洗って着てた……食べ物は飲食店の残飯を盗んできて……寝るところは路地裏で段ボールを重ねて……」


「なんと……なぜそんな目に遭わなければならないのですか? 季人様にいったいどんな罪があるというのでしょう?」


「僕が聞きたいよ! なんでこんなつらい思いしなきゃいけないんだ! 他の子どもはかっこいい服を着て、毎日おいしいもの食べて、ふかふかのベッドで寝てる! どうして僕だけこんな目に……! ただ産まれてきただけなのに……!」


「そうです、心に溜まった本音を吐き出してくださいまし。ワタクシはそれを喰らいにきたのです」


「ちくしょう……こんな世界どうなったっていい……僕には関係ないんだ……」


「さぁお聞かせください、季人様の願いは?」


「僕の願いは……」

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