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第33話

 季人に純潔ファーストキスを捧げたサマーズ、

 すっかり季人の魔力の虜に。

 千春にやんややんや急かされて契約へ。


#####


「僕の願いは家族になってもらうこと。代償はさっきみたいに魔力を吸っていいからね」


「キモチイイだった、ちゅう、これからもっとできる、家族になったら。うれしい」


「僕もうれしいよ」


「うん……」


「えへへ……」


「はいはい御託はいいから。さっさと名前もらいなさいな」


「ムード崩すな、スプリングス! 口出しウザい、いちいち!」


「あなたの照れ顔キッショくて見てらんないのよ。あとワタクシは『阿久戸あくど千春(ちはる)』だから」


「僕が考えたんだよ。サマーズさんも人間の名前が要るよね?」


「お願い、いい名前ちょうだい、『千春』より」


「あァ?」


(髪も肌もキレイな黒色の悪魔さん。見た目はツンとしてクールだけど、心はアチアチ。ふさわしい名前をあげようね)


(ママのときと同じで、元の名前をもじるんだ)


(『サマーズ=ジョイ=オルターナッツ』だっけ)


(サマーズ、オルターナッツ……)


(サマー、ナッツ……)


「あ」


「うん、いいのが思いついた顔してる、早速」


「2回目だから慣れてきちゃった」


「ワタクシの二番煎じってことね、プププ〜」


「うっさい!」


「ケンカしないで〜名前あげるから〜」


 季人はサマーズの前に立つ。


「あなたは……『夏希なつき』、『阿久戸夏希あくどなつき』。夏は生命が晴れやかに伸びゆく育ちの季節。無限の陽気で家族を照らして、僕といっしょにどこまでも成長していこうね。僕の……お姉ちゃんになって」


「うん、拝命。これから『阿久戸夏希』、『サマーズ=ジョイ=オルターナッツ』じゃなくて。まだまだこれからの生命だから、私も。季人の隣で立派に成長することを誓う、お姉ちゃんとして」


 夏希が光に包まれ、人間の姿を手にする。


「やっぱり角とかは消えちゃうんだ」


「うん……これが人間? 変わった感じしない、あんまり。それに何、この服? 黒くてヒラヒラ」


「あらセーラー服じゃない、リボン結んで黒タイツまで履いちゃって。ちょうどいいわ、そのまま学校に行けるわね」


「やった〜! お姉ちゃん、僕といっしょに学校行こうね!」


「うん、学校、いっしょに行く。ずっといっしょ、離れない。ぎゅ〜する」


「お姉ちゃん、ぎゅ〜」


「ちょっとサマーズ、お姉ちゃんになったからって調子乗りすぎよ。先住民のワタクシに配慮したらどうなの?」


「サマーズじゃない」


「は?」


「夏希、季人のお姉ちゃんだから。これからよろしく、ち、は、る、マ、マ?」


「チッ……手のかかる娘だこと。たっぷり教育したげるから覚悟なさい、夏希ちゃん?」


「うん、楽しみ。ね、季人?」


「そだね〜」

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