表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/36

第27話 孕んで産み出て

 デート終わりの深夜、代償部屋。

 2人ベッドの上に正座して向かい合う。

 千春の目つきは真剣そのもの。

 いつもと違う雰囲気に季人も背筋を正す。


#####


「というわけで季人ちゃんを産むわね。じゃあ早速」


「言葉足らずにもほどがあるよぉ?! 僕の理解置いてけぼり! どゆことどゆこと説明して?!」


「言葉通りだけど? 季人ちゃんをワタクシの子宮に入れて大きく育てて出産する……こういう流れなのよ?」


「『なのよ?』じゃないよ? どうしてそんなことシたいの?」


「ワタクシはね、身も心も季人ちゃんのママになりたいの。出産の苦痛なくしてどうしてそう名乗れましょうか。だから魔法で妊娠から出産まで疑似体験するの。分かってくれる?」


「う〜ん……? こんな大きな赤ちゃん(自分)をどうやって産むつもり? 産まれて15年経ってるんだけど?」


「転移魔法を使いましょう。目の前の対象を任意の空間に飛ばす……それの応用よ。季人ちゃんを小さくしてワタクシの子宮に転移させ、胎児くらいの大きさに戻してから産道を通す……原理的には可能よ」


「自分のカラダの中に転移させるなんて危なくない?」


「安心して、季人ちゃんには魔法障壁マジックバリアを何重にもかけるから。ワタクシのカラダに入っても何の害も受けないよう、『雷光ヴィレ』にも耐えられるくらい堅くするわ」


「僕もそうだけど千春さんだよ。人1人お腹に入れるんだよ? つらいなんてもんじゃない、カラダが裂けるくらい痛いよ? いいの?」


「モチのロン。痛みと引き換えに真実の愛が手に入るなら望むところよ」


「もう決めたんだね?」


「えぇ」


「分かった、僕も千春さんから産まれたい。でも1つだけ約束。ぜ~ったいに無茶しないで。いいね?」


「うん、ありがとう」


 季人がボール状の障壁に漏れなく包まれる。


「必ず元気に産まれてくるからね……いってきます」


「必ず元気に産んであげるからね……いってらっしゃい」


 ボールがみるみる縮んで千春のカラダに飛び込む。


「集中しないと……転移魔法を絶えず発動して慎重にボールを運ぶのよ……」


 ちゅぴっ


「あっ……着いたのね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ