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第17話 新居初夜

 新居初日は大忙し。

 家具を運び込んだり、

 服をクローゼットにしまったり、

 スーパーまで買い出しにいったり、

 一息ついてリビングでまったり……

 大変だったけど楽しかった。


#####


「見て見て季人ちゃん、代償部屋が完成したわよ〜」


「うわ、お姫様が寝るベッドみたい……ロイヤルスイートより豪華じゃない?」


「でしょ〜いいのを見つけたのよ。今夜からここで寝ましょうね♡」


「寝るだけだよね?」


「ん?」


「え?」


 そうして迎える新居で初めての夜。


「お風呂が沸いたわよ〜せっかくだからいっしょに入りましょ〜」


「は〜い、お洋服脱ぎ脱ぎしてっと……わ〜! やっぱり広〜い! 浴槽おっきすぎ、泳げちゃう〜!」


「こらこら走らないの。背中流してあげるからこっちにいらっしゃい」


「は〜い……あっ、ママ力強い……もうちょっとゆっくり、優しくしてぇ……」


「ウ゛ッ゛フ゛♡ 分かったわ、壊れ物に触るくらいやさ〜しくしてあげる♡」


「んっ、ママの手つきヘンだよぉ……なんだかゾワゾワしてきちゃう……」


「ちゃんとシワの隙間まで洗わなきゃいけないから♡ じゃあ前の方失礼しま〜す♡」


「ひぇっ?! 前は自分で洗うよ! そんなとこ触らないでぇ!」


「ぐちゅぐちゅ〜ぬるぬる〜足の指の先っぽもあわあわでいっぱいにしようね♡」


「だっ、ダメェ! 手がどんどん内ももの方に……マズいって、《《あれ》》に触っちゃうって!」


「あれって何かしら〜? ママ分かんな〜い♡」


「しらばっくれてんじゃあないんだよぉ?! あれがあれであれになっちゃうからぁ!」


「ぎゅっぎゅっ、ごりごり♡」


「んおおおぁぁぁーーーっ?!」


 攻守交代。季人が千春の頭を洗ってやる。


「よいしょ、よいしょ。かゆいところございませんか〜?」


「ございませ〜ん♡ 上手ね〜将来は美容師さんになるかしら?」


「えへへ〜そうしよっかな」


(ママの髪の毛、ツヤツヤで太くて長い、とってもキレイ)


(量も多いから腕ごと動かさないと髪の毛持ち上がらないや、ふんふん!)


「あっ♡ おっ♡ 季人ちゃんの指が頭皮に当たってる、脳に電流走っちゃう♡」


「はぁっ、はぁっ、どうママ、キモチイイ?」


「すごいっ、たくましいわぁ♡ もっと強く擦って、傷ついてもいいから♡」


「だったら全力で、こうしてやる! ママの頭の汚れすっかり落としてやるから! 覚悟して!」


「は、はい、覚悟しますぅ♡ あぁっ、季人ちゃん季人ちゃん♡」


「ママッ、ママァ!」


「「「うぁぁぁーーーッ!」」」


 そうしてお互いのカラダを洗い終え、浴槽へ。


「「ふぃ〜いい湯だナ〜」」


「ねぇママ〜?」


「なぁに?」


「ンフフ〜なんでもな〜い」


「も〜」


「ママといっしょだと安心する〜赤ちゃんになったみたい」


「今も赤ちゃんみたいよ♡ よしよし」


「あふゅう……頭なでなで好きぃ……じゃなくて! 赤ちゃんじゃないもん、もう大人だも〜ん!」


「あらそうなの? それは悪うございました♡」


「む〜!」


(ママにいいようにされてばっかり。ちょっとくらい反撃してやりたいなぁ)

 

「ママの弱点とかないのかなぁ」


「弱点? いいわよ、見つけてみて♡ ママの弱いところはど〜こだ?」


「よ〜し、あんなところやそんなところも触って見つけちゃうぞ〜!」


 つんつん、ぺしぺし、すりすり……


「そこ弱いかも〜♡ ヤられちゃう〜♡」


「ウソばっかり、ど~せ演技でしょ?」


「バレちゃった? つれないのね」


「ん〜……どこ触ってもママなんともならない~! つまんない〜!」


「あらら見つかんないね〜? ママの弱点は無いのかな? 季人ちゃんの弱点はここなのにね♡ えいっ」


「ぎゅうっ?! やめてよ僕ばっかりぃ〜!」


(も〜最後にお顔もみもみしてやろっと)


「ママのお顔触らせて〜」


「さて、いい加減長風呂はよくない、のぼせちゃうわ。あがりましょ」


「え? うん」


(今さら長風呂だなんてヘンなの。ま、いっか)


(いくら悪魔さんだからって弱点ないわけないよね。いつか見つけてやるんだもん)

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