表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

532/588

悪魔憑き、ギシカ

 悪魔憑きとなったギシカは、次の瞬間物凄い速度で愛に向かって襲いかかった。

 俺はそれを縮地で防ぐ。

 相手と絡み合い、屋上の入口へと吹き飛んでいく。


 ドアを破り、俺達は踊り場へと落ちた。

 ギシカは荒い呼吸を繰り返している。

 その瞳に理性の光はやはりない。


「ギシカ、正気に戻れ! ギシカ!」


 言うが、ギシカに理性は戻らない。

 その体が起き上がり、愛に視線が向かう。

 危ない、と思い、相手を咄嗟に身を返して組み敷く。


 そして、魔力を総動員して抑え込んだ。


「愛! アリスの時は親父はどうしてたんだ?」


 愛の返事まで一瞬の間があった。

 呆気に取られていたのだろう。


「知らないよ、私その時に生まれてない!」


「そりゃそうだ」


 自棄気味に叫び返す。

 どうすればギシカを元に戻せる。


 驚くべきことに、ギシカは俺の腕力と同等の怪力を発揮していた。

 なまじ、下地がハーフデビルだ。

 悪霊憑きになったこともあって腕力はかなり強化されているらしい。


「どうするんだよ? そいつ相手に硬球なんて投げれねーぞ」


 辰巳が戸惑うように言う。

 辰巳の躊躇いは、そのまま俺の心を写していた。


 ギシカを殺せるわけがない。

 けど、ギシカは正気を失った。

 このままでは人を殺める。


 どうすれば良い?

 俺はギシカを組み敷きながら、堂々巡りの考えに陥った。

 ギシカは呼吸荒く愛を睨んでいる。


 俺は意を決して、ギシカの魔力に自分の魔力を同調させた。

 合体すれば、ギシカの心境もわかるだろう。

 そう思ったのだ。


 俺達は、一つの身体に解けあっていった。



つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ