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急襲
その時、男は見ていた。
春武を、辰巳を、翔吾を。
どれも見た顔だ。
「さあ、行きなさい。隙に乗じて奴らを狩るのです」
男は穏やかな表情で言うと、指を鳴らした。
その途端に、男の周囲にいた四人が姿を変えた。
虎男、人狼、竜人、猿人。
彼等は超常的な速度で駆け始めると、一気に少年野球チームに襲いかかった。
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「む」
異変に気づいたのは部長が最初だった。
俺もその視線の先を追う。
そして、絶句した。
悪霊憑きの群れがこちらに向かって襲いかかってきている。
刹那が即座に構えを取る。
「春武は皆を守って。私は彼等を迎え撃つ」
そう言った瞬間、縮地でその姿が消える。
次の瞬間、虎男が空を高々と舞い上がった。
しかし、虎男は空中で姿勢を変える。
「飛行能力持ち!?」
刹那が唖然とつつ着地する。
そして、四体は上空から子供達への急襲を開始した。
その時、地上から一閃。
硬式球が投げられた。しかもとんでもない速度で。
部長が険しい目で投球し、バットを手に取っていた。
鬼瓦部長。
肩を壊したとは言え元はプロにも才能を認められた投手だった。
つづく




