表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

493/589

チーム完成

 そうして俺達はアリスのパフェ屋で決起集会を行うことになった。


「俺は六階道春武。戦闘担当だ」


 パフェを齧りつつ自己紹介する。


「私は愛・キャロライン。治癒魔術なら任せて」


「……井上ギシカ、その、一応戦闘担当」


「千紗。頭脳労働と探知担当ね。その先生ってのの癖もそのうち教えてもらうから」


 辰巳と翔吾は顔を見合わせた。


「……都知事の娘がいる」


「エイミーの娘もいる」


「なんかとんでもないことになってきたな」


 しみじみと言う。

 そして、意を決したように前を見た。


「俺は辰巳。戦闘担当」


「私は翔吾、撹乱捜査担当、かな」


 全員がコップを手にして乾杯する。


「よろしく」


「よろしくね~」


 雑談が始まる。

 千紗は先生について情報を引き出しに掛かったし、愛は愛で翔吾との仲を詰めようとする。

 アリスはお菓子の盛り合わせを持ってくると、微笑ましげに笑って戻っていった。

 ああ、勝利の女神の後ろ髪が行ってしまう。


 そんな中、割って入ってきたのはあまりにも見慣れた顔だった。

 刹那だ。


「刹那、何しに来たんだよ」


「記憶に関することだと訊いてね」


 涼やかに言う。


「あ、お姉さん。春武の野球の応援席にいた……」


 辰巳が興味深げに言う。


「ちょっと君の記憶、見させてもらうよ」


 そう言った時には、刹那は辰巳の頬に手を添えていた。

 辰巳の顔が真っ赤に染まる。


「なるほどなるほど、こういう人かぁ」


 そう言って、次は千紗の頬を撫でる。

 魔力が千紗の中に流れ込んでいくのがわかる。

 千紗はにっと微笑んだ。


「把握しました。助かります」


 どうやら、記憶の共有を可能としたらしい。

 陰陽連の面々はその辺り万能っぷりを発揮する時がある。


「それだけに来たのか? ゲート使える紗理奈でいいじゃん」


「今日は連絡もしにね。春武、覚悟しなよ」


「ん? 俺?」


 今日一日だけで結構賑やかしかった気がするのだが。


「君のお父さんが帰ってくる」


 俺は喉にパフェを詰まらせて、思わず窒息しかけた。

 それほど、意表をついたニュースだった。



つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ