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捜査

 俺達のやるべきことは、まずこの事件を知ることだった。

 意外なことにこれは連続的な事件である可能性が高く、類似事件が数日前に起こっていた。

 都知事の井上六華は少年少女の単独での外出を回避するよう求めているようだ。


 通りで、親子連れが多いわけである。


「これだけ頭数いて誰もテレビ見てないの?」


 愛が咎めるように言う。


「私最年長だけどデジタルネイティブだし」


 千紗が蓮っ葉に言う。


「共通点があるね。喰った痕跡と被害者が未成年の女性」


「人喰いかぁ……」


 俺はブルリと震えた。

 人の肌に歯を突き立てる。

 俺には到底出来ぬ行為だ。


「じゃ、話は決まりか。愛とギシカが囮になって獲物を釣る」


「私が?」


「……私、怖いの苦手」


 愛とギシカが千紗の提案に難色を示す。

 有り体に言えば迷惑そうだ。


「大人の鼻を明かすんでしょー? いざとなれば私が保護者だよって出てくるし、犯人が現れたらあんたらだけでも十分処理できるでしょ」


「探知ぐらいしか脳がない癖に仕切っちゃって」


 愛は不満たらたらだ。


「じゃ、他に策ある?」


 沈黙がその場に漂った。

 千紗は煙草とライターを取り出すと一本の先に火が灯るまで待った。

 誰も返事をしなかった。


「じゃ、決まりで。愛と春武、私とギシカが近い距離で別れて活動しましょ。愛達は警察に補導されかけたら保護者とはぐれたって言って私を呼んで」


 千紗が淡々と進行していく。

 探知だけではない。千紗は皆のブレインなのだ。


つづく

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