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戸惑い

 俺はその後、高校入学直後に親と大喧嘩し、一時独立したが、六華の執り成しもあって和解した。

 そして、高卒でドラフト一位指名で読売巨人軍の外野手となった。


 成績は上々。一軍レギュラーを二年で掴んだ。

 残念なこともあった。

 お気に入りのVtuberが引退したのだ。


 なにかその時、違和感を覚えた。

 この人はその後活躍して、声優としても活動する人だったような。

 ないはずの記憶が刺激される。

 しかし、それは俺を突き動かすまでには至らなかった。


 ただ、残念だとその場で流した。

 成長するうちに六華の友人である雛子と仲良くなった。

 と言っても、気のおけない友達と言った感じ。


 今でも一緒に飲む飲み友達だ。


「なあ、俺達もっと大勢で飲んだことってなかったっけ?」


 六華と雛子に戸惑いつつ訊く。

 何故そう思ったか自分でもわからなかったのだ。

 この三人はいつものメンツだというのに。


「私もなんかそんな気がするけど、いつもこの三人だよねえ」


 雛子は戸惑いがちに言う。


「……私もそんな記憶がある。京都にお兄の動画撮りに行った時強くそれを感じた」


「そうなんだよなあ。俺も歩いたはずのない道を覚えてたりするんだ。西院とかの町並みとか」


「細かい地名言われてもわかんないよ」


 六華が苦笑交じりに言う。


「それもそうだな」


 その場で、その話は終わった。

 深夜、雛子からラインがあった。


『これって生まれ変わりとか前世の記憶とかなのかな?』


 俺は苦笑して打ち返す。


『ありえないよ』


『けど、三人とも違和感覚えてるなんて、なんかおかしくない?』


 確かに、その点は妙なのだ。

 俺は基本オカルトは信じない。現実には理がありそれは覆る超常現象などありえない。

 オカルトブームが流行った時期もあるようだがその起源はエクソシストという映画だし、ネットが発達した今口裂け女や超能力者に少年少女が踊らされることもない。


 けど、気になる。

 なんなんだろう、この戸惑いは。


 気になりつつ、俺は横になり、なんとなくそのままスマートフォンを握って、違和感という言葉でX内を検索してみた。



つづく

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