閃光のエドゥルフ
エドゥルフは閃光のように敵を撃破しながら移動していた。
だだっ広い空間だ。かなり移動しているのに未だに味方と遭遇できない。
様々なエリアを通過した。
まずはアリエル達が配信を行う電脳空間。次は刹那の故郷にあるという西院のビル。神秘のアイテムが隠されていたという北海道の道中。迷宮のクーポンでしか行けない迷宮。
そして、エドゥルフの槍がまた一体敵を貫こうとした。
受け止められた。
エドゥルフは目を見開く。
やはり、受け止められる。
エドゥルフは天界でも最上位の実力者だ。
ただの雑魚が、その初撃を受け止める?
まあ、二撃目で討ち取れるのだが。
自分は問題はない。
だが、他の面々はどうなるのだろう。
それを思うと不安になる。
そして、魔力を使って探知を続けているこの空間の広さ。
(これは……)
悪寒がするような結論に到達する。
この広い空間の生成に、強化した悪魔の生成。
もしかすると、シュヴァイチェは、創世石を作れる手前の域にまで至ってしまったのかもしれないと。
だとすれば、打倒は困難だ。
一歩、立ち止まる。
そして、再び駆け始めた。
今はまず、全員で集まってぶつかること。
エドゥルフは味方を求めて閃光のように駆け続ける。
+++
刹那はエイミー邸にいた。
過ごした時間は短いが、とても楽しい時間を過ごせた空間。
しかし、そこが偽りの空間であることはわかっていた。
楽しむ時間は終わった。
戦いの時間が始まる。
殺気は四方八方から集まってきている。
刹那はその中でも強い気配を近くに感じ取っていた。
(他の人じゃなくて良かった)
自分なら、確実に処分できる。
自分一人でも、終わらせる。
刹那は六大名家収束状態に移行する。
光を纏い、周囲の幻影を蒸発させる。
そして、強い気配へ向かって幻影を蒸発させつつ一直線へ直行した。
つづく




