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そして四層

 四層になると、がらりと雰囲気が変わった。

 自然と、こちらも身構える。


 竜を象った模様の門の前に、五人の天使達が鎮座していた。


「ここに来訪した客は如何程ぶりだろうか……」


「時の止まったこの空間。数えることなど無意味」


「しかし期待はさせられるな。我々を解放しうる者なのかと」


「期待など無意味。我々を打ち破るなど不可能。それは呪いに近い」


「そう。我々を破る者など、いるはずがないのだ」


 そう言って、中心に座った長髪の天使が、剣を杖のように使って立ち上がる。


「如何様にもかかってくるが良い。お前らが求める竜族はこの奥だ」


「じゃあフレイムヴォルケイノを使っても良いのにゃ?」


 アリエルがとぼけた調子で言う。

 長髪の男はまいったな、と言いたげに苦笑する。


「神性の持ち主はご遠慮願いたい。神々からの依頼なのですから」


「まあ、わかったにゃ。人間の力でどうにかしろって言うわけだにゃ」


「そうなります……まあ、人間以外も他にもいるようですが」


 そう言って、天使は目を細める。

 俺はぎくりとしつつ、アリスに叫んだ。


「アリス、俺の影に入れ! 一瞬で決めるぞ!」


「了解!」


 この旅で、俺達も随分と相棒らしくなった。

 今なら前よりも精度が高く打てる気がする。血の弾を。


 俺の魔力をアリスに注入する。

 それはアリスの中で血の弾に変換され、射出される。

 血の弾のガトリングガン。


 それは一斉に天使の五人に襲いかかった。

 対応できたの相手は、いなかった。

 ただ一人、長髪の天使。

 こちらの攻撃を、全て反射してきた。


 血弾と血弾で相殺し合う。

 そして、四人の天使は膝をついていた。


「見事」


 長髪の天使が言う。


「しかし、無駄だ」


 長髪の天使の体が光り輝き、その光が他の四人にも灯る。

 すると、全員の体が元通りに戻っていた。

 服まで元通りだ。


 俺は、目を丸くしていた。


「状態の同一化だにゃ」


 アリエルが言う。


「五人同時にやれなきゃ、やられるにゃよ」


 アリエルは、淡々とした口調で言うと寝転んだ。



つづく

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