岳志軍団の躍動
二百近い悪魔の軍団が地響きを立ててやってきた。
「アリスは俺の影に! 六華はヒョウンと組んで! けして無理はするな!」
「了解!」
「わかったよ」
「お願いします」
エイミーと俺とアリスは空を飛ぶ。
そして、俺とアリスは血弾を悪魔の首めがけて一斉に放った。
悪魔の前列が次々に倒れていく。
この調子だ。
俺は緊張感の中、頬を緩めて血弾を放ち続ける。
エイミーは光を放った。
無効化の光。
それは悪魔の魔法耐性をも剥ぐデバフの光なのだ。
「フレイム……ヴォルケイノ!」
アリエルの炎が縦一列に悪魔の陣形を蹂躙する。
黒焦げになった遺体がそこには残った。
それでも、撃ち漏らしは出る。
悪魔達は仲間の遺体を踏んで俺達に迫った。
連射される血弾、フレイムヴォルケイノ。
その中で、六華とヒョウンが前にたった。
悪魔の首が六個、地面に落ちた。
「私が二つ、貴方が四つ。まだ届かないなあ」
呆れたように六華が言う。
「人間にして初陣で二体倒すそなたがおかしいのだ。少女」
ヒョウンが呆れたように言う。
剣閃が光のように舞う。
次々に悪魔の群れが倒れていく。
弱小と見て迂闊に群がった悪魔達は次々に討ち取られていくことになった。
次々に悪魔の数が減っていく。
今では、自衛隊と陰陽連達でも余裕で殲滅できそうな数まで減っていた。
「六華の奴、やるやる」
俺は呆れ半分に言っていた。
本当に、自分の妹とは思えない。
その時、跳躍してくる影があった。
振りかざされる鉤爪。
押されて、十数メートル後方へと下がった。
「お前がリーダーと見た。イノウエタケシだな」
俺に襲いかかってきた角の生えた悪魔が言う。
「……お前は?」
「魔界六団騎、ギシニル」
俺は緊張感をあらたにした。
つづく




