意外な援軍
まずは亀岡に移動しなければならない。
しかし土地勘もない身。亀岡と言われてもピンと来ない。
俺以外の二人は、部屋を出ると、亀岡と言われて少々困ったような表情をしていた。
「レンタカーを用意せねばならんな」
そう与一が言う。
「その前にアリエルさんの詳細な移動経路を入手するべきだと思う。ぱっと思い当たる場所があるわけじゃない」
「陰陽師的には大学があるぐらいだな、あこは。今日は行き先決めをするのに終始しようと思う。岳志君は明日に備えてマンションで休んでいてほしい」
「わかった。悪いな、手間かけて」
「身から出た錆だ。非はこちらにある」
「送るよ。与一、考えといて」
そう言って、紗理奈が歩き始める。
その後を、追った。
そう言えば俺は、この場所からの脱出方法も知らないのだった。
「流石は陰陽連だなあ。異空間に本拠地があるとは」
「ふふーん、少しは見直した?」
「うん、驚いた」
「空間を操るのは岳志だけじゃないということだよ。室月様のお力あってのことだけど」
「……凄まじい人だったな。陰陽連の切り札って感じだ」
「正にそうだね。室月様が屈する時が陰陽連が滅びる時だ。だから、室月様が出るようなことはあってはならない」
紗理奈は覚悟を決めたように言う。
「ね、ね。今日これからオフでしょ? カラオケでもよらない?」
「そういう気分にはならないよ」
「むー、こんな美人なお姉さんが誘ってるのに」
「美人なお姉さん、ねえ」
紗理奈への意識は、もう生意気な妹へのそれになりつつあった。
翌日、マンションの前に車が停まる。
運転席に乗っていたのは、意外なことに、六階道だった。
続く




