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消えたアリエル

 エイミーを電車で京都駅まで送り届けた。

 念の為、新幹線のプラットフォームまでついていく。


 周囲には人がたくさんおり、その中の誰がいつ悪霊つきに変貌するか俺にはわからない。

 だから、常に張り詰めた緊張感が俺の中にはあった。


「京都タワーってさ、昔は木刀とかパロディキャラ商品とか売ってたんだってさ」


「そうなんだ?」


 エイミーが苦笑交じりに言う。


「今回はよる暇なかったなあ。次回はよってみないと」


「今は凄く綺麗なお土産屋さんだよ。ここ十数年で変わったんだと」


「へえ。私は北国の記憶が最後だから、日本の変化には疎いなあ」


「これから積み重ねていこう」


 話しているうちに、新幹線がやって来た。

 エイミーが俺に抱きつく。


「じゃあね、岳志。忙しい時に本当ごめん」


「いいんだ、エイミー。また会おう。会えて良かった」


 そうして、俺達は別れた。

 そして、俺は一路京都タワーへと向かう。


 駄猫へと電話をかける。

 しかし、出ない。

 なにをやっているのだろうあの駄猫は。

 電話に出れないような緊迫した場面だとしたら?

 心配は尽きない。


 時刻が六時を過ぎた頃だろうか。

 与一達がやって来た。


「アリエルさんの足取りが、消えた」


 与一が言いづらげに言う。

 今まで当たり前に傍にいたアリエル。

 日常の象徴であり、心強い相棒だったアリエル。

 その失踪に、俺が受けたショックは計りしれようがない。



続く

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