与一の誤算
遅れて大変申し訳ありませんでした。
今後の投稿で帳尻合わせしたいと思います。
さて、与一と合流しようという時間になった。
エイミーもついてくるという。
「岳志がお世話になっている人だもん。挨拶の一つぐらいしていくよ」
「お前は俺の親かよ。新幹線大丈夫なのか?」
「なんとかなるわよ」
平然とした調子で言う。
慣れてきている、ということなのだろうか。
喜ばしいと言うべきか、寂しいと言うべきか。
「行くわよ。与一だってエイミーのサイン欲しがっちゃうんだから」
そう、紗理奈は上機嫌に言う。
一度打ち解けてしまえば一気に距離が縮まる女子の現象を俺はよくわかっていない。
待ち合わせ場所に行くと、鋭い声が飛んだ。
「近づくな!」
与一の声だ。
「あんた……」
紗理奈が唖然とした口調で言う。
与一はうずくまり、自分の体を抱きかかえていた。
「そうだ。悪霊の卵を産み付けられた。俺としたことが、迂闊だった」
「初歩も初歩じゃない」
呆れたように紗理奈は言う。
「だから、迂闊だったと言っている」
苛立たしげに与一は言う。
「卵は今にも孵化しかかっている。陰陽師の力を持った悪霊つき。厄介この上ない。本当、俺としたことがヤキが回ったものだ」
「悪霊の卵を植え付けられるようなあんたの心の隙間って、なんなんだ……?」
俺の問いに、与一は答えなかった。
続く




