表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/530

陰陽師

「それは陰陽師にゃね」


 俺の話を聞いて、アリエルが発した第一声がそれだった。


「陰陽師?」


 小説や映画でしか聞かない単語だ。


「実在するっていうのか? その、陰陽師ってのが」


「天界大戦みたいなことがなくても、平時にも悪霊はいるにゃよ。今回みたいな人間だけの手に負えないと思われるケースには天界も陰ながら介入するけれど、平時はその陰陽師に任せきりにゃ。しかし、やはり大々的にニュースになると嗅ぎつけられちゃうにゃね」


 アリエルはそう言って物憂げに窓の外を眺めた。


「まずかったか?」


「むしろ、協力関係を築けたほうがありがたい」


 意外な言葉だった。天界の介入は秘匿しろと言われると思っていたからだ。


「エクソシスト、陰陽師、色々いるにゃけど、この世界をカバーするには岳志一人には手に余りすぎるにゃ。私の下位精霊の助力も得られるとは言えそれも限界がある。組織があるなら使わない手はない」


「なら、天界のことを話しても良いってことか?」


「それは困るにゃ」


「禅問答みたいなことを……」


 俺は思わず頭を抱える。


「天界大戦って単語を引き出されただけでもかなりグレーゾーンにゃよ」


「そうなると、俺はこれからどう立ち回れば良い?」


「そうにゃねー」


 アリエルは人差し指を顎に当てて考え込んだ。


「とぼけつつ、上手く利用する。立ち回りが寛容にゃ」


 こいつに癒やしを感じた俺が間違いだった。そう確信した一瞬だった。

 しかし、どうしたものだろう。

 次に涼子とシフトが一緒になるのは三日後。木下にでも交代してもらおうかと思っていたのだが。

 どうやら、直接対決ということになりそうだった。



続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ