二話
田舎ってどうなんだろうね(気にしなくていい)
待っている間自己嫌悪にさいなまれていた。ただ届けるの一言が言えなかっただけなのにあの娘の負担になってしまっていることどうにもできなくて、でも時間は過ぎていきあの娘が家の近くまで来てしまった。
あの娘に物色されたとか思われたくないからリュックに入れたままのパーカーを取り出してあの娘に渡した。僕は
「用事があるからまたねー」と言って気まずさから走って逃げだしていた。あの娘とは面と向かって顔あわせることができなかった、だからあの娘がどんな表情をしていたのかはわからない。家に帰って「あの娘の顔をよく見ておけばよかった」と自室でつぶやいてた。
あの娘はおこっていたのかもしれない、それとも失敗して落ち込んでいたのかもしれない。
でも顔を見れていないから何を考えていたのかの検討がつかない。もし次があるのならあの娘に、「届けに行く」といえるようになっているそんな誓いを立てては床に就いた。
そんなことがあっても毎日連絡は取っていた。連絡を取り合うのがとても楽しくて気づけばいつの間にか数時間立っていることもあった。でもその時間が僕の記憶層にこびりついては離れなかった。
いつものように部活を行ってると部室から見えるバス停にあの娘とその子が並んでいた。
僕は写真を撮ってあの娘に、「発見!!!」というメッセージとともに写真を送信した。
あの娘は、「なにwwうちらのこと好きなん?www」って返してきた、確かにどうでもいい人の写真なんて取らないよなとか頭の片隅で思いつつ、この気持ちがばれないように
「いや、違うけどなんでそうなったん?wwww」
「そうだよね」
「そうだが?」
「?」
あの娘は笑いながら戸惑いつつも返してきてくれた、僕は(“うちら”じゃなく“うち“のことが好きなんだよ)と訂正してほしいなんて誰にも言えなく独り言になって発していた。
そこから数か月は何もなくただ毎日欠かさず連絡を取り合っていただけが続いてた。
高校行事の体育祭はあの娘も「体育祭楽しいけど競技するのは嫌だな~~~」運動音痴だからいやだなんて愚痴をこぼしていた。「僕も運動音痴だから絶対参加のドッチボールだけだよーー」なんて言っていた。
そのドッチボールの出番が来て教室待機からの体育館への移動になった。体育祭では半袖半ズボンになる必要があり、もやしとも呼ばれることが多かった自分は細い体を晒さなければいけないのは苦痛だった。
せめてあの娘とすれ違わないことを祈っていた。本当にすれ違うこともなく、あの娘を見れなくて残念だなと少し落ち込んでいたら体育館についた。
ドッチボールは思いのほかすぐに負けてしまった。この姿があの娘に見られなくてよかったなんて思った。
敗北者は会場から立ち去るのがルールだったので教室に戻った。でもその時にあの娘を見つけてしまった、あの娘はこりすみたいに見えた。あの娘が何をしていたのかはわからないけどかわいく見えた。どうしてこんなにもかわいく見えてしまうのかが不思議なぐらいには、かわいく見えていた。でも移動の最中だったのでずっとは見れずにいた。
教室に戻ってはあの娘をおもいだしていた。あの娘はどうしてあんなにかわいいのか気になってしまった、
そこで僕は仮説を立てた、それは恋の魔法にかかってしまっているからなのではないのか。二つ目はあの娘がただ単純に一般的な目で見てかわいいのではないのか、だけどその二つの仮説が正しかったとしてもあり得ないほどかわいく見えた。
本当にどうにかなっているのかもしれない。どうにかなっていた方が楽なのかもしれない。
あの娘のことを考えている時間が日に日に長くなっていくことがわかっている。でもここまで気持ちが大きくなっていることは想定外だった。それと同じくらい自分があの娘とは釣り合わないことへの理解も深まっていった。
そのたびに何か自分に才能の一つや、容姿、なんかがあってくれたら自己劣等感はなくなるから、自己劣等感がなかったらどんなに楽なんだろうかと考えこんでしまった。それなのにあの娘への気持ちの大きさは宇宙が膨張するみたいに無限に大きくなっていく。
そんなことがあっては体育祭は終わった。
体育祭が終わるとすぐに夏休みだった。夏休みには友達と遊ぶ予定はなく、少し離れた県に住んでいる父の方の祖父母の実家に行くことになっていた。その祖父母の実家は田舎で年々人口が減っているようなところだった。祖父母の実家に何をもっていけば退屈しないのかを考えていると、あの娘からメッセージが届いた。
「今度さ夏祭り一緒にいかない?」だった。
僕はその一言でさっきまで考えていた祖父母の家に持っていくものがすべて頭の中から消え去った。そしてすぐに冷静になった。
「行きたい!!親に聞いてくる」って返した、その時は今どきの流行りの感染症があって、親がその感染症を警戒していたため遠くに出るためには外出許可が必要だった。
僕はすぐに、「今週の夏祭り、友達と言ってきていい?」と近くにいた母親に聞いた。返答は「感染症が流行ってる中人ごみに行くのは危ないからダメ、さらにおばあちゃんの家に泊まりに行くんだからそこでおばあちゃんに感染症を移したら、おばあちゃんは高齢なんだから死ぬかもしれなでしょ。だからだめ」と的確にダメな理由を伝えられた。
僕は言い返すこともできず、ただうなずいた。あの娘になんて言えばいいのかわからなくて、でも断らなきゃいけなくなったのは確かなことで、あの娘とのトークルームを開いては閉じてを繰り返して、もう一回親に夏祭りに行ってもいいかを聞いてみて、それでもダメと言われて、諦めた。
あの娘に断りの連絡を入れるだけなのに僕はもたもたしていた。結局それを伝えられたのは翌日になってからだった。それを伝えたときにあの娘は少しだけ悲しそうな感じがした。僕は悲しすぎることが悟られないようにそんなに悲しくない自分の仮面を纏った。
そして間も開けずに、おばあちゃんの家に行った。おばあちゃんの家は思ったより暇で観光に行くとしてもご当地名物ぐらいしかなく、高校生が楽しめるような施設はほとんどない。
ただ自分が考えた末に持ってきたラノベやら有名な海外小説を読んでは日が過ぎた、
これからのあと4日間どう暇をつぶすか考えていた。レジャー施設についていっておいしい何かを食べるのもいいかもしれない。(別に楽しくないわけじゃないけど、これだったら、この家族の旅行を行かないであの娘と夏祭りに行った方満足できたんじゃないんか、でも年に一回会えるかどうかの祖母に合わないのも失礼なのではないのか、僕にとっての最善策は何だったんだろうか)いつもなにも考えていない頭を動かしたけど、結論は出てこなかった。ぼーっとしながら本を読んでいると父親が
「いまから晩御飯を買いにスーパー行くか?」と聞いてきた。出かけ先でスーパーとはなんかしょぼいなと感じ、
「えー、外食じゃないのー?」
「今日はスーパーでいろいろ買ってお酒を飲みながら酔っ払いながら寝るから。」いつもどうりすぎて驚いたけど、実家でのんびりしたいのもあるのかと思い許すことにした。
「おけ」
「それでいくの?」
「いきまーす。」
父親が運転する車に乗り、スーパーへと向かう。スーパーに行くのも車が必要なのだから本当に田舎だ。ちょっと憐れんでいたらスーパーについた。自分が食べたい総菜やらお菓子ジュースをぽいぽいと父親が押しているカートに突っ込んでいく、いつもなら「入れすぎだ」と叱られるが、今日ばかりは制限がないみたいだ。
そして大体食べたいものを入れ終わった後に、店内をぐるぐると回っていた。これといった深い理由があるわけじゃない。見慣れない所だったから知的好奇心から回っていた。大体二週目にかかろうというときに、イベントは発生した。
あの娘に似た女の子がいたのだ。瓜二つというわけではないけど、あの娘を想起させるには十分だった。
話のテンポは速いと思っています、希望があったらもう少し引き延ばしてみようと思います。
評価お願いします。




