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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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パニック関連

小さな脅威が襲ってくる

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/24

 ガリガリと家を削る音が響く。

 全周囲から聞こえるそれは、小さな虫の大群によるものだ。

 今、この町はそんな虫に襲われ、壊滅していっている。



 それが今までどこに潜んでたのかは分からない。

 だが、ある日突如あらわれて襲いかかってきた。

 建物を、人にかじりついていく。

 全員が死に絶えるまで。



 人々も対抗した。

 殺虫剤で迫る虫を倒していった。

 だが、大量にあふれる虫を全て倒すにはいたらない。



 大群の虫を殺すには量も足りなかった。

 手持ちの殺虫剤はすぐに底を突いた。

 そうなれば対抗する手段は無い。

 人々は襲いかかる虫になすすべもなく食い尽くされていく。



 その虫の群れは町を覆っていった。

 それだけの数の虫があふれていた。



 幸いなのは、進行速度がそれほど速くないこと。

 急いで逃げた者達はそれで助かる事ができた。

 だが、大群の中に取り込まれた者達はもうどうしようもない。

 家の中にいても、その家がかじり尽くされる。

 体に取り憑いた大量の虫は、全身を食い尽くす。

 口から入ったものは、体内から体を食い尽くす。

 生き残る事は不可能だった。



 生存者はそれを伝えた。

 自分が体験した事を伝えた。

 撮影した動画もネットにあげた。



 それでも最初は誰も信じなかった。

 信じず対応をしなかった。

 それが初動の遅れにつながった。



 虫はその間に繁殖していった。

 調度、産卵の時期だった。

 そこかしこに卵を産み付けた虫は、次のエサを求めて動いていった。



 そうして幾つかの町が死に絶えた。

 人々はようやく状況を把握した。

 すぐに対策が考えられていった。

 何はなくとも、今現在活動してる大群の処理が始まった。

 集められた殺虫剤が散布されていった。

 一先ず虫の大群はそれで壊滅した。



 だが、卵は残っている。

 その駆除は進まなかった。

 対処のしようがなかった。

 見えるところにあるならともかく、土の中にまで潜んでるものもあるのだ。

 それに、広範囲に分布しすぎている。

 どうにかしたくても、どうにもできなかった。



 やれる事はやった。

 それでも、再度の大量発生は避けられない。

 そう結論が出た。



 やむなく、その対処におわれる事になる。

 どれだけ出て来るのか分からない虫。

 それに対応できるだけの殺虫剤。

 その他の、除虫手段。

 可能な限り様々な方法が揃えられていった。



 そして迎えた翌年。

 卵からかえった虫が動き出す。

 幼虫の段階でできるだけの処置はしていった。

 しかし、想定以上に広く分布し、大量に出現した虫への対処は遅れた。

 それらの大半は殲滅する事ができたが、取りこぼしも多かった。



 産卵の前に大方を削ることは出来た。

 それでも、翌年も大量に発生するだろうと予想された。



 殺虫剤の大量使用の影響も懸念された。

 土壌汚染などが起こらないよう使うとなると、どうしても使い方が限られる。

 それを避けようとすると、大量の虫を駆除できなくなる。



 可能なかぎり害の少ない薬を使ってはいる。

 だが、全く影響が無いとは言えない。

 大量に使えば、なんらかの影響はどこかに残る。



 こういった自然環境に与える影響もあるので、駆除はどうしても及び腰になった。

 徹底した大群壊滅の妨げになるほどに。

 仕方のないこととはいえ、取りこぼしが出るのはつらいものがあった。

 翌年にまた大量発生を余儀なくさせるのだから。



 かくて大量に発生した虫の大群は、毎年毎年の脅威となっていく。

 発生する地域がある程度予想出来るのが救いだろうか。

 なので、事前に近隣の住人を避難させることが出来る。

 被害を極力おさえることが出来る。



 そんな虫害が今年も発生する。

 重なりあった羽音と、それに混じってかすかに聞こえる、顎の開閉音。

 不気味なうねりは、今年も人里へと向かっていく。

 それは今年生まれた虫が死に絶えるまで続く。

 殺虫剤によるか、寿命を迎えるまで。

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