寂しがり屋の地球
昔、ある所に寂しがり屋の地球がいた。
地球は青い暗闇の中でひとつ、踊りを踊っていた。
地球は月に近づいた。
「僕と踊ろう、お月様」
三日月は言った。
「今日は体の一部が欠けてるの。ごめんね」
次は、火星の所へ行った。地球はこう言った。
「僕と踊ろう、火星さん」
火星は言った。
「僕にはフォボスとダイモスがついている。君はいらないよ」
地球は腹を立てながら、一緒に踊る相手を探していた。
地球が回転しながら宇宙を進むと、火星と木星の間の宇宙に住んでいる小惑星たちと出会った。
「君たちはいいな、僕はひとりだけど、小惑星はたくさんいるもん。」
地球が言うと、小惑星のひとりが返事をした。
「とんでもない。小惑星はもちろん、たくさんいるよ。でも、地球には生命が居るじゃないか!」
その言葉に、地球はハッと気づいた。
地球には、生命たちがいる。
植物に、動物、フナにナマズにウナギにエイ。
カエルにイモリにオオサンショウウオ。
トカゲにヘビ、カメにワニ。
カモやペンギン、ダチョウにツバメ。
ウマにクマ、ネズミやネコやイヌ。
そして、人間。
小惑星はこういった。
「君には生きた仲間がいるんだよ。忘れてしまったら、かわいそうじゃないか。自然の環境を、破壊する生命もいる。しかし反対に、地球のために何をできるかを考えて、行動している生命もいる。地球がキレイになったら、僕たちと一緒に踊ろう!」
地球はそう言われて、こう言った。
「ありがとう、小惑星たち!この恩は忘れない」
地球はそう言って、自分の宇宙に戻って行った。
心は晴れやかだった。
終わり