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鉄牛と鉄獅子の遺伝子  作者: 有坂総一郎


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ナト車

歴史群像を立ち読みして帰ってきた。多分Kindleで買うことになると思うけれど、今回はナトが特集に載っていた。


それによると、陸軍当局が4頭立てないし6頭立て輓馬牽引による対戦車砲に限界を感じ、輸送用装軌車両のシャーシを流用することで自走砲化することを比較的早期に立案したということのようだ。


実際、九四式三十七粍砲が300kg程度であったが、試製九七式四十七粍砲で500kg程度、一式機動四十七粍速射砲で800kg程度、試製機動五十七粍砲で1100kg程度で輓馬牽引の限界を感じ、同時に40~60mm級では貫徹能力の不足を痛感していたこともあり75mm級を欲したことと新型75mm級戦車砲の原型として有望視されていた四式七糎半高射砲が3300kg程度であったことから自走砲化を目指したという。


開戦直後、マレー半島がほぼ掌握出来た段階の17年2月に『昭和17年度陸軍技術研究本部兵器研究計画』において75mm級の対戦車砲の整備が構想されたことでナト車の設計方針が示されたわけだが、これは四式中戦車チトに比べてもかなり早い段階での構想である。


この構想は状況一つでノモンハン直後に立案される可能性も十分にあったのではないだろうか。若しくは、南京や上海など中支方面におけるボフォース75mm Lvkan m/29の鹵獲品を再利用すると際に馬匹の不足などを理由に自走砲化を行う余地はあったのではないだろうか?


思うに巷で言われるほど帝国陸軍の戦車開発は欧米に対して遅れていると話ではなく、整備優先度や資材の供給不足が理由で進まなかっただけで、ちゃんとやるべきことはやっているし、将来を見据えた開発をしていたと裏付けていると考える。


そして現物合わせでも一応はやってやれないことはないことをその設計方針やシャーシの流用などで証明している。


過度な性能を求めないのであれば、一式装甲兵車ホキや一式半装軌装甲兵車ホハを活用する形で九〇式野砲を載せて17年中には登場させることは不可能ではないだろうと予測する。


ただ、史実ベースで考えると一式七糎半自走砲ホニⅠと装備としては被る存在でもあり、ホニⅠを早期実用化している場合、純粋に三式砲戦車ホニⅢや試製五式砲戦車ホリを目指した方が良いのではないかという考え方も出来る。


ナト相当をホキやホハの車体で作るとなるとそれだけシャーシを食い潰すことになるので機動歩兵部隊の減少を意味することにもなるし、四式中型装軌貨車のような装軌貨車を食い潰す場合はそのまま兵站輸送に支障が出てくる。


そうなると、軽戦車車体を使った形で40~50mm級対戦車砲を積ませてタ弾を積極的に利用する方がマシではないかと思ったりもする。

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― 新着の感想 ―
[一言] よく正式図が無くて空想でヘッツァーみたいな47ミリ砲装備の95式改造車両が出ていたり 四式として95式に97式の砲塔を載せたのが有るがドイツでも口径と同じ程度しか貫通力がないから57ミリだと…
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