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鉄牛と鉄獅子の遺伝子  作者: 有坂総一郎


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ND/KD系2ストの可能性

戦後の大英帝国における主力戦車と言えば、チーフテンがある。チャレンジャーの先代であるが、そのチーフテンの発動機はLeyland L60という液冷対向ピストン型6気筒2行程式ディーゼル発動機750馬力である。


この発動機の源流を辿るとユンカース社のJumo205という液冷対向ピストン型6気筒2行程式ディーゼル発動機に行き着く。


これはユンカース社の開発したJumo204がJumo205の原型かつ、ネイピア社がネイピア・カルバリンとしてライセンス生産していたからであるが、そのレイアウトが非常に似通っているのだ。ややこしい話になるが、Leyland L60のメーカーであるレイランド社はロールスロイス社から技術提供を受けていて、そのロールスロイス社はネイピア社の親会社であり、またJumo205系の発展形式であるネイピア・デルティックを供給されていたイングリッシュ・エレクトリックはネイピア社の親会社でもあった。


こういった関係からJumo204/205系の技術を用いた格好で開発されたのがLeyland L60である。


また、同じユンカース社の技術系譜に属する発動機が日本にも存在し、これが日本デイゼル工業→鐘淵デイゼル工業→民生産業→民生デイゼル工業→日産ディーゼル工業の系譜となるND/KD系の対向式2行程式ディーゼル発動機を生み出している。


35年には日本デイゼル工業が設立され、クルップ / ユンカース特許の上下対向ピストン式2サイクルディーゼルが翌36年に生産開始されている。これには三菱名古屋製作所の協力があり国産化が実現したという。


この時には社名を取ってND型と命名されたが、後の社名変更でKD型と改称されている。


ND1:直列2気筒 60馬力

ND2:直列3気筒 90馬力 排気量4.1L

ND3:直列4気筒 125馬力 排気量5.4L

KD5:直列4気筒 165馬力


上記が主要製品の要目であるが、基本的にはバス・トラック用のサイズなのでボア・ストロークが小さめであるため排気量がそれほど大きくない。


企業規模が大きくないことなどが問題で生産規模や技術研究規模が小さく、設計や製造に難儀している形跡がある。


しかし、元の技術を考えると、Jumo205のライセンスを最初から行うという話であれば、陸軍からの予算を引っ張ってくることも可能であり、商工省からの補助金も当てに出来るのではないだろうか?


そうなれば、40年頃に300馬力台、42年頃に400馬力台の対向式2ストロークディーゼル発動機が誕生する可能性は考えられたのではないだろうか?


実際に鐘淵紡績が重工業化を志向したことで買収されてからは生産の拡大が行われていることから、資本が十分に投下されてさえいれば、発展の素地はあったのではないかと推測出来る。

一部誤りがあったため修正。ただ、大筋に影響がないため、該当箇所だけ削除。

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