夏の終わりのある日
今日も一日なんにもしないで寝てすごしている。大学3年の9月はじめ。後期授業開始まで後もうちょっと。マンガも読み尽くした。ゲームも全部クリアした。…寝ててできることはぜんぶした。
ひととおりやることがなくなると妹の部屋をのぞいてみる。いけないな〜とおもいながら机の中を探る。
双子の妹。都心の大学に通う“女子大生“。服装にかまわない私とは違い、大人の格好をいつもしている。みんなに慕われるしっかり者。あだなはPTA会長。今日は、バイトでいない。
業界マップ、切り抜き新聞記事のコメント帳、やまずみの参考図書。書きかけのレポート。メモ帳にマジックで
「目標、新聞毎日、中国語検定、TOEIC〇〇点!」
なんだかあせる。とってもあせる。無意味にあせる。
何でそんなにがんばれるの?そのやる気はどこから?そんなに頑張りを維持し続けられるのが普通だとしたら、私は人間を続けられない。
なんだか空気が重く感じられ、わたしはまた部屋でごろんと横になる。
公務員試験を目指すと親には宣言したものの、そのためにバイトもやめたものの、一向に勉強する気にならない。そもそも働くことにゆめが持てない。世の中の動きに少しも興味が湧かない。…自分勝手な言い訳であることはわかっているが。
このままでどうするつもり?と親によく言われるが落下するにちがいない将来のために頑張る気力がどうしても湧かないのだ。
あぁ神様。どうして私と妹とはこうも人間が違うのですか。