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第6部思い出エピソード 一ノ瀬緑の誤解

メリ合州国のサナ市内で

遠くにはサナ宇宙基地が臨める閑静な住宅地

ここの中心はサナ大学だった。

こじんまりした土地付きの1戸建ての小さな家の2階で

14歳になった息子と父親がコーヒーを飲みながら語り合っていた。

一ノ瀬緑とアルベルトだった。


アル「どうだ? ひのもと国の地獄谷学園て? 私立の全寮制の中高一貫校てえのは?

名門校だそうだが」


緑「ぼちぼちさ」


アル「おまえ 柔道部の主将なんだろう?

全国試合でいいとこまでいったそうだな?」


緑「ああ、一応優勝ね」


アル「おれにゃあ、想像もつかんな」


緑「作家が言うなよ。あはは」


アル「あはははは」

アル「それはそうと、おまえ、エレちゃんと最近疎遠だそうだな?」


緑「そう?変わらず友達だよ?そこそこ仲いいよ。あいつ面白いから」


アル「えらいそっけない言い方だな……親友だったんじゃないのか?

おまえと彼女は?」


緑「だれがだよ?」


アル「?エレちゃんとお前だよ」


緑「……俺はお釜に用はないよ。友達としては付き合うけど、それだけだな」


アル「はあ?」


緑「あいつ、体は男だけど心は乙女、だろ?」


アル「意味わからんな?

エレちゃんは、おまえの命の恩人だぞ!

あの子は生まれた時から女の子だぞ。」


緑「あはははは、冗談きついな。おやじ」


アル「???????」

これまで息子と互いに語ることを避けていた話題があった。

それは3年前のあのおぞましい夜の出来事だった

いきなりあのおぞましい夜の出来事が、アルベルトの脳裏によみがえり、緑の言ってる意味がおぼろげ理解できた。

ーー命の恩人に何を勘違いしてるんだ! こいつーーーーーーーー



アルベルトは、息子の小学5年生最後の日のおぞましいUFO事件の出来事を、3年の歳月を過ぎて初めて、詳細に緑に語った。

エレオノーラの特殊能力も、少し躊躇したが、彼女から聞いたとうりに語ってしまった。


しかし、息子の緑は最初、父の言うことを信じなかった。(まあ当然だ!)


アル「おまえのせいで彼女は1回死んで生き返る不思議な力を使い果たしお前の代わりに殺されたんだ……。それは不思議な出来事だった。まるであの夜のために用意されてでもいたように……」


緑「……いいかげんなこと言うなよ。あの夜よっぱらってたんじゃねえの?」


アル「おまえ、写真たくさんとってただろう?」


緑「……1枚も写ってなかったよ」


アル「俺の言うことが嘘だとおもうのか?お前はあの子の特殊能力で生きながらえたんだ」


緑「あっはっは。冗談きつすぎるよな」


アル「ふん、信じないならいいさ」


アル「そういえば、俺は未だにお前の命をエレちゃんに助けてもらって礼を言ってない。

信じなくてもいいからとにかく言伝ことづてられろ!

今からエレオノーラのとこに電話して、あの夜、僕の命を助けてくれてありがとうと言え!」


緑「無茶苦茶な話だな!?」


息子を無視して、アルベルトは自分の携帯電話でいきなりエレオノーラに電話をかけた。


エレオノーラがすぐに出た。

「もしもしアルパパ?」


アル「やあ、エレちゃん、緑が3年前の例の忌まわしい夜、

命を助けてくれてありがとう、と礼が言いたいそうだ。

ほんとうにありがとうな。

ついいままで言い忘れてた……おい、お前も礼を言え!」


エレ「いいですよ、そんなこと。もう忘れてください。」

(エレオノーラは否定しなかった。おやじの言ったことはホントのことなのか?……え?!あいつ、まじ女なのか?!)


アル「おい、お助けられた本人のお前、礼を言えよ。ありがとうくらいいわねえとな。エレちゃんに」


緑「エレオノーラ……ありがとう。」 


エレ「いいよ。もうその話はつらいからやめてください。アルパパ。

あの その話はしないでほしいです。おねがいね」


緑はエレオノーラがなぜ自分を崖から突き落としたのか理解した。

なぜ、あの時、ああだったのか理解した。


緑「エレ、俺、今、パスポートあるから、いまからリケトニア公国のおまえんちへ行ってもいいか?

会って謝らなきゃならないことがあるんだ」


アルベルトは思った


ーーーーもし「おまえをお釜に勘違いしてた」なんて告白したらエレちゃんなんて思うか?!ーーーー

往復ビンタくらって1か月はメールに出てくれないぞ。

俺の息子のアホめーーーーーーーー


エレ「ええ?いま、めちゃくちゃ忙しんだよ。ここしばらく無理だよ。込み入った話ならメールでお願いね。じゃあごめん。今忙しいので。」電話はプツンと切れてそれきりつながらなかった。

でも、緑は、ようやっと自分の気持ちが楽になった気がした。


その夜、緑はエレオノーラに自分の気持ちの思いのたけを込めた謝罪の大容量のメールを何通も送ったが

(彼女が、それをめんどくさいという理由で読まずにゴミ箱に捨てたのは緑にとって幸いであった。)


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