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第41部  挿絵あり

挿絵(By みてみん)

一ノ瀬峰子とアルベルトの三女、一ノ瀬泉13歳はお顔は美少女だが、運動神経0

頑張るのだが、ぜんぜんだめだめ。それでもいつか麗しいサッカーなでしこガールになりたい夢を持つ。


義姉のエレオノーラの弟、19歳のリュシスくんに個人サッカーコーチをしてもらい、リュシス君の硬派の血も涙もない猛特訓で、なんとか準プロでプレイできるかな、というレベルにまでなった。


リュシス君は18歳までラッドラッスサッカーリーグのレギュラーで名アタッカーだった。

今はギムナジウムを卒業してアレクサンドロスファミリーの一員として、最高重役とセントバーナード警備保障の副社長を務めていたが、しばらく休業して泉のサッカーコーチに専心するように、ねーちゃんに命令されて、ガールフレンドの個人コーチを口では嫌そうにウキウキ務めている。

世界の女子草サッカーリーグを武者修行に廻って来て、いまはひのもと国の屁茶の水女子大のサッカーグラウンドで、ラッドラッスリーグの準レギュラーとの練習試合に、泉を混ぜてもらい、試合が済んだばかりである。


屁茶の水女子大のサッカーグラウンドで、付属中高の生徒の練習試合に混ぜてもらったのだがーー一ノ瀬泉のオウンゴールで泉の入ったチームが負けたーー

泉はリュシスにくどくどくどくど説教されていた。

涙目の泉に、これでもか!とリュシスの説教が長々と続く。


リュシスは一所懸命、サッカーの理論を説明してくれてるのだが、泉の頭には左から右。半分子守歌に聞こえ始めた。

30分ほど続いたお説教がおわり、リュシスくんが

「これで、おまえも少しは分かったか?」と熱気を込めた自分のサッカー理論に少し自己陶酔しながら、泉のほうを見ると、泉は居眠りをしている。

泉はリュシスくんに「グラウンド20周!」と言われてしまった。

ーーはぁはぁはぁはぁ、がんばって走る。リュシス君も……言った手前、半周遅れで、きっちり泉と同じだけ走り伴走してくれている。


「はーーしんど!」と20周走り終えて、泉はグラウンドに大の字になってしまった。


泉の後ろから20周走り終えたリュシス君が「もう20周走らせてやろうか?」とニヤニヤ。


「いや~~ん。勘弁して~~」


グラウンドの座席側で

「この頃の飛鳥さま、様子がおかしいわね」「そうね、なんか依然と雰囲気がちがうね」

という話声。

「以前は、帝位についた後も、よくここへ来て汗を流してらっしゃったのにね」


「何かと言うと、ご教育係で婚約者の野茂村治五郎が、しゃしゃり出てくるのよね」

「ほんと、あんな男とあと1か月後にご成婚だなんて、信じられないわ」


そうこうしているうちに、表の道路が封鎖され、黒塗りの高級車が何台も屁茶の水女子大学の駐車場に入ってきた。一台が正門前で止まると、女帝あまのみかど虹の宮飛鳥さまが婚約者で考古学者の野茂村治五郎とともに降車された。

帝位についたあとも、この母校でまだ23歳とお若い飛鳥さまは助手として講義の授業をお持ちなのだ。

飛鳥さまの授業を受ける学生たちはすでに階段教室に一杯になっていた。

一番下の教壇に、数人の護衛が付いて、飛鳥さまが今日の講義ノートを持って入ってこられた。


長い黒髪を左右のこめかみで括って可愛く三つ編みに垂らし白衣を着てジーパンに赤い木綿のブラウスと皮のサンダルという清楚な姿で、凛とした声で考古学の講義を済ませた。

授業が終わった。教壇で質問のあったヵ所に書き込みをしている飛鳥さまを数人の学生がサッカーにお誘いした。 彼女も、大学在学中はずっとサッカー女子だったのだ。


婚約者の野茂村治五郎が、「飛鳥さまはお疲れだ。いい加減にしろ!」とサッカーに誘った女の子たちを怒鳴りつけた。

飛鳥さまは寂しそうな笑顔で微笑んで、野茂村治五郎と共に、大学をでて行った。



そのあと、飛鳥さまはご公務のため、東帝都を離れ駄埼玉県のチャリティ農業祭に出席するために、

アレクサンドロス東帝都ホテルのロイヤルルームに泊まられた。

部屋の中には二人の若い女子警察官が同室し、交代で寝ずの番をする。


そのホテルのカウンターに立っているのは、ベテランの支配人と、横にラ・トカ村の村長ハトが支配人見習いで詰めていた。


ハトは思いっきりの笑顔で、飛鳥さまをお迎えしたのだが、そのとき、ふとある匂いに気が付いた。


ハトは勤務時間中だが、一ノ瀬緑に携帯電話で連絡した。

ひのもと国の女帝飛鳥さまに、媚薬アモレ・カピオルの匂いがしました。だれか邪な者が、彼女に良からぬことをしようとしているのでは?」

「ありがとう、教えてくださって助かります」」

一ノ瀬緑はその時、ラジリア国のラジリア市のラジリア大学の考古学部に行っていた。

そこで、野茂村治五郎に関して、聞いたのだが、だれも野茂村治五郎に関して語りたがらない。

ようやく、野茂村の助手をしていたという若い男の居場所を突き止め、会いに行ってみた。

助手だった男は、「この前までひのもと国のマスコミがたくさん来て色んなことを聞いていったんだが、だれも我々の言うことを信じないのさ」と言った。

「どういう意味だい?」と緑が聞くと「野茂村治五郎はもう2年前に事故死した人間なのさ。生きてるわけがないよ」という返事だった。



緑はなんとしても、女帝あまのみかど虹の宮飛鳥と野茂村治五郎とのあと1か月後のご成婚の日……王室関係者に「何とか、ご成婚を取りやめにできないか!」とあたって見たが、どうにも拉致が開かなかった。王室執事は言った「もう、国事行為として決まってるんだ。世界中のVIPに招待状を送ってるんだ。そんなことできるわけないだろう」

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