第40部
ここはリパ市の世界警察本部ビル
奥の施設ではDrローラン・ガヌロン50歳が取り調べのために留置されている。
弁護士同席の上で
一ノ瀬緑はDrローラン・ガヌロンの供述調書の確認作業を行っていた。
女性弁護士のタナ・ダーンが「きちんと権利を最初に告知してください」と言った
緑は、Drローラン・ガヌロンに
「あんたには自分に不利になる証言を拒否する権利があります。はい、言ったよ。じゃあ、確認いきますね」
「あんたは20年前にリパ市内に大きな総合病院の個人病院を持っていたよね」
Drローラン・ガヌロン「父から受け継いだ病院だよ」
Drローラン・ガヌロン「最初の頃、まだ教祖はふつうのは人間だった。おれはその頃、医療用麻薬の横流しをしてて、ド・テナ教団とつながりを持つようになったのさ」
緑「はい、そうですか。その病院の産婦人科に小川加恋が入院して出産した。その赤ん坊が失踪した。犯人はあんたか?」
Drローラン・ガヌロン「犯人は武烈宮霞子だ。自分を愛さない父への復讐だと言ってた」
緑「小川加恋の話では、武烈宮武烈の8女の霞子が訪ねてきた。果物もって『弟が産まれたそうなので会いにきたわ。お疲れ様』とか言って当たり障りのない雑談や世間話を30分して、帰って行った、と言っているけど?」
Drローラン・ガヌロン「そのあと、霞子は育児室の前の廊下の物陰で人が居なくなるのを見計らって赤ん坊の弟を盗み出し連れ去ったのさ。自分を愛さない父への仕返しだと言ってたな」
緑「そうなのか」
Drローラン・ガヌロン「そのあと、その赤ん坊を父親の付けた仄という名前のまま、自分が母親だと仄に言って育てた。あらゆる憎しみを仄にぶつけてる感じだったな」と言いコップの水を飲み干すと
Drローラン・ガヌロン「自分に逆らうたびに、身体の臓器を、病気だが、まだ死なないような初期の病気の事情があって取り去った臓器に変えて、仄の臓器は他の人の臓器と一緒に売り飛ばしたな」
緑「鬼畜だな……」
Drローラン・ガヌロン「最後のころ、2年半位前、仄が自分は東国の女帝虹の宮飛鳥とテレパシーで会話できるとかぬかしやがって、それで霞子にロボットにされたのさ。脳をコンピュータ化してしまって頂戴 テレパシーなんか使えない様に、と俺が霞子に頼まれてな」
緑「……(答える言葉が見つからない)……」
Drローラン・ガヌロン「ド・テナ教とは、三千年前の古代ラ・トカ帝国で信仰されてた宗教なのさ」
Drローラン・ガヌロン「そのあと霞子は教祖プテオ・インビティアの子供を身籠ったんだが、ゾンビしか身籠れなかった。あいつも東国王家の女系の末裔だが、父親の男系が入っているために神の血筋が完全じゃないせいさ」
緑「なんだって?!」
Drローラン・ガヌロン「それで王を復活させるために、俺はA財団のメディカルセンターへ研修生として参加し。おれは器用な質なんで、賢者の石の保存装置を見よう見まねで作り、賢者の石を盗み出したのさ。あの賢者の石の発明者エレオノーラが役に立たない平凡な人間ばかりを蘇生させるのが腹立たしくてな」
緑「ふん!?……」
Drローラン・ガヌロン「そして、ラ・トカのピラミッドを占拠して王のミイラにその賢者の石を使い、王をゾンビ状態で復活させたのさ」
緑「恐ろしい話だな」
Drローラン・ガヌロン「しかし、教祖プテオ・インビティアはーー現世に転生したただの人間の方だが、自分が過去に生きた王として持っていた超能力を持った身体で復活することを望み、俺に頼んで、賢者の石の力で若返った」
緑「なんだって!」
Drローラン・ガヌロン「そして、神話によると真の創造女神の女系の子孫である東国王家の虹の宮飛鳥王女を使って三千年前の生きた姿のままよみがえろうとしてるんだよ」
緑「……」
Drローラン・ガヌロン「若返った教祖は、虹の宮飛鳥王女に近づきラジリア国のラジリア大学の考古学教授 野茂村治五郎と名乗った。そして自分の前世の記憶をもとに麻薬を調合してラトカ帝国で古代に神の儀式に使われた惚れ薬アモレ・カピオルを再現した。その惚れ薬で虹の宮飛鳥王女をものにして、教祖は自分の子を産ませようとしてるのさ。東王家の神聖な血筋の力を利用してな」
緑「ええ!? とんでもない!?」
女弁護士タナ・ダーン「被疑者は疲れてるわ。今日はこれ以上の尋問や供述調書の作成は中止を要求するわ。取り合えず被疑者に休息を要求します」
弁護士の要求で、その日の供述調書の確認は終了となった




