第29部
精密機械工学社屋の中庭。
緑はアーマノイドスーツを脱いでエレオノーラと二人何となく木立を見上げて佇んでいる。
エレが緑の方に顔を向けた。
エレオノーラは緑の身体にそっと手を廻すと緑の首筋にキスをして緑の身体を抱きしめてから愛撫し始めた。
緑もエレオノーラの愛撫に答えてエレのお尻に両手を廻し赤いツナギから丸見えの豊満な巨乳に顔をうずめて乳首にキスした。
そこへ渚がぶっきらぼうに
「順平のやつったら……兄さんの好きな日本酒の濁り酒と今朝から作ったおはぎをちょっと来客の相手をしてる隙に全部食べてしまったのよ……」
とふくれっ面をして、緑とエレオノーラに言った。
緑は(エレオノーラと抱気合ったまま)渚に言った
「お前が好きで付き合ってるんだろ? ぼくはあいつと付き合うのは散々反対してるぜ」
渚は思い余って、べそをかいて泣き出した。
エレオノーラも緑も……これから熱いキス仕掛けていたのに、いいムードが台無しだが…………妹がべそをかいてるのをほっとくわけにもいかない……二人は愛の行為を中断して渚を慰めた
渚を慰めるため、三人はエレオノーラの自宅に向かった。
渚はエレオノーラの邸宅のホテルの台所のような台所で、小豆からあんこを作り直しうるち米を炊きなおし、おはぎを作り直し、濁り酒をもう一度取り寄せた。
その間に……緑はエレオノーラの部屋に二人で戻ると、
ほぼ緑の専用ベッドと化しているエレオノーラの天蓋のあるピンクのダブルベッド際で
エレーノーラとキスしたら、窒息させられかけてーー薄いレースの垂れ幕をのけて、
どん!とベッドの横からエレオノーラの身体をベッドに押し倒した。
緑とエレオノーラは激しくキスして愛し合った。
緑は……エレオノーラと……いつものように熱烈に愛し合い……エロエロのぐだぐだにされてしまった。
「……ひぃっ……ぐふっ……」
ベッドで腑抜けている緑にやさしくキスすると、
緑を尻目に、エプロンを付けてエレオノーラは本格的に台所で腕を振るった。
手の込んだ最高のフランス料理を短時間でフルコース作り上げーーーー順平抜きで渚も、骨抜きの緑も、エレオノーラの作る最高の料理に舌鼓を打った。
エレオノーラの邸宅の庭は全体が分厚い頑丈な防弾ガラスで覆われている。まるで月面基地の様に。
その庭はアレクサンドロスビルの最上階にあるのだが、温かく芝生と木立が茂り果樹が植えられている。その庭のテーブルで、緑はひさしぶりにたらふく食べて、デザートのおはぎも食べて、濁り酒を楽しんだ。
ーー明日から任務だ! 臓器売買やバイオテロを行なおうとする秘密組織との戦いだーーーー妹の渚の笑顔とクールに熱く緑を見つめるエレオノーラの美しい顔ーー
それから数日後
一ノ瀬渚は、ヨークニューのカモネギーホールで天才バイオリニスト、北条仄のソロコンサートを鑑賞している東国の女帝虹の宮 飛鳥さま(23歳)の護衛を務めていた。
北条仄は東国で人気の19歳の天才美少年バイオリニストである。
東国女帝虹の宮飛鳥さまのお傍には、熱愛中と言われるご教育係の野茂村治五郎という考古学者(35歳)が同行していた。しかし、野茂村治五郎は、国民から悪評糞ふんぷんで、過去に幼児わいせつ事件を起こしたり、傷害事件を起こしたトンデモ男なので、こんな男が皇婿さまになるなど、言語道断、と当然の雲行きである。
演奏の曲目がすべて終了し、アンコールも終了して、北条仄が、女帝虹の宮飛鳥様に、ご挨拶に来た。
お若い女帝陛下は、北条仄が劇的なデビューをした14歳の時より以前から、この美少年のファンである。
今回の講演のご観劇は、警視庁に、暗殺予告があり、東国の警視庁とメリ合州国のシークレットサービスはピリピリしている。




