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第24部エレオノーラの救出

つぎの日の朝、一ノ瀬緑がエレオノーラのベッドで目を覚ますと、まるで昨日のことは何事もなかったの様に、体力は回復していました。横の椅子にNPCが一人髪を結い直しながら座っていました。

「おはよう」少し照れたように緑が声をかけると


NPC「おはようございます」振り向いた顔には大きな黒ぶち眼鏡。

赤毛の三つ編みを終え、一つにまとめ振り向くと、それはファルナ副長でした。

ファルナ副長は昨日晩の乱痴気騒ぎには参加していなかったようです。

緑「しかし、腹減ったな」

見ると、緑の前には、小さなテーブルに彼の大好物の温かな焼き魚とのりと生卵に味噌汁、お浸しとお漬物に玄米ご飯が用意してありました。

ファルナ「朝食を召し上がってください」

ささっと彼が食べると、あとに熱い玄米茶。

「ふぅ~っ。ごちそうさま」

緑は、ちゃちゃっとシャワーを浴びると、彼の大好きなワンちゃん柄のパンツを履いて出てきました。

これは彼の勝負パンツでした。彼がよほどの大勝負の時に履くパンツです。

バスタオルで身体をぬぐいながら熱い玄米茶を飲む緑くん。


(ファルナ副長はセントバーナド社のリュシス副社長に代わり、実務を取り仕切るエレオノーラNPCです

20数人いるなかでエレオノーラが唯一固有名詞を与えているNPCでした)


ファルナ「あなたに差し上げたいものがあります。以前、エレオノーラさんが差し上げたものですが、あなたが「いらない」と断られたものです。」

緑「?」

ファルナ「恒星炉を装備した中クラスの緑さん用のアーマノイドですが、これは一撃で山1つくらいぶっ飛ばせるものです。どうぞ、お使いください。他にもチートな武器がたくさん装備されてます。装備されたら、自動で案内ガイダンスも脳にダウンロードされるので、説明の必要もないものです」

緑「チートだな」

ファルナ「はい!」ファルナ副長はうれしそうに答えた。

彼女が緑の左の耳たぶに触れると、エメラルドのピアスが現れた。

ファルナ「これでいつでも装備OKですよ」

「あと、このアースティアラ世界中に、何百か所アレクサンドロス社の営業用の未公表設備である、物質転送機が設置されてますので、それを利用したテレポートマシンのエアマシンに接続できる装置です。」

さっと緑の左手に銀色の細いチェーンのブレスレットをつけた

「デザインがお気に入らなければチェンジしますよ?」

緑「これでいいよ」うんざりした顔で緑が言った。

「じゃ、使い方は脳に自動でダウンロードされますので、いってらっしゃい。ご武運を!」


*


そこで左耳のピアスに意識を集中してみると、いきなり、緑は緑色の光輝くアーマノイドの姿になりました。なんと、景色が360度見えます。パノラマ視野でした。

アーマノイドとはエレオノーラの発明品で、全身を包む鎧ですが、素材はカーボンナノチューブ。鋼鉄の200倍の強度を持つが、軽い素材です。人間の筋力を2倍~200倍に上げる筋力強化機能がついています。内部に呼吸補助と生体温度調節と代謝補助装置を持ち、さながら宇宙服のような全身装備です。

右手に念じると、いきなりリケトニア公国のエレオノーラの家から、緑の身体を光が包みオルドムズ国とポエナ共和国の国境地域に移動していました。

「すげえな」

延々と果てしなく続く焦土をオルドムズの方角へ歩いていくと、がれきの山のような殺風景な町が見えてきました。町の至るとこには、フェトム総統の写真がでかでかと貼られていました。人の姿はまったく見えません。

緑が走り出すと、忍者の走り方ってこんなのか、と思うようなカッコいい高速の走りになりました。

「わーい、かっけー」

どんどん景色が後方へ流れていきます。

いくつものがれきのような街を通り過ぎました。ただ街にはフェトム総統の大きな写真ばかりがあちこちに貼られているのみで、人間はだれも見かけませんでした。殺風景な街には、ただ不気味な静けさが広がるのみでした。


その時

彼の前にいきなり100体のロボットアーマが現れました。アーマのすべてがいきなり、彼の視野に現れるなり襲い掛かってきました。

全部がロボットであることを確認すると、右胸にとても小さな微小爆弾が数種類装備されてあります。無人地帯なので、緑は中くらいの破壊力のある光の爆弾のようなものを使ったつもりでした。しかしそれはは反陽子波の微小な爆弾で、一瞬で100体のロボットは解け落ちて、あたりには巨大なクレータが開きました。

「恐ろしっー!」

その時、ファルナ副長からいきなりメッセージが来て、頭に声が響きました。

緑はびっくりしました。

「これってどうやって通信してるんだよ?」

「エアマシンをつかった通信機能です。タキオン通信なのでだれにも傍受されないし、速いですね」

「タキオン通信はまだだれにも使えないんかよ?」

「『最終原理公理』を理解できる人間がエレオノーラさんしかいないんで、あの人が創った機械しか存在しないです」

ファルナ「メフィス博士が150キロほど西にいますね。メフィス博士には赤いマーカをつけときましたのですぐにわかるはずです。彼を捕まえてください。何もしゃべらなくてもこちらで彼の記憶を調べますので。エレオノーラさんの行方が分かると思います。」

緑「了解」

1分もかからずに到着しましたが、そこは女性用強制収容所でした。

この国では女性は、初潮から妊娠可能な限り、妊娠と出産を国家が強制する法律が存在し、拒否は死刑あるのみでした。

大勢の人の気配がしましたが、それは弱り切った人間の気配でした。

緑は、その気配に身震いし、早くこいつら(フェトム総統勢)をこの世界から駆除したいものだと思いました。

一ノ瀬緑は、デス・メッセージを翻訳したときの母の言葉を思い出しました。


『光体における力 それはこの宇宙のすべての物質エネルギー時間を自由に意のままに操る力。これは火星に産まれ金星移住したわれわれデスのものである アースティアラに光体が生まれしときはドウルガの呪いが発動され光体が受肉せしアースティアラ人は同胞を死滅させるべし 制御者が光体に融合するを阻止する 光体の力はデスのものである』


あと 月の裏側にある光る人型の様な絵には『光体その名アスターティ 神なる力持ちしが人なるがゆえに悲しき』と読める文字が足元にあります」


サナ市の自宅で父が緑とエレオノーラに語った言葉も思い出しました。


アルベルト「超生命体は、自分はこのア-スティアラの人間に転生する、と最後にいって姿を消したんだ。いまから30年前にね」

アルベルト「つまり、エレちゃん、きみが超生命体アスターティの転生だということになる」


赤いマーカが建物の奥にいるのが緑のアーマノイドを装備している目には見えました。建物の屋上に飛び上がり、屋上から、赤いマーカの人間のいる真上にいき、天井をぶんなぐって穴をあけそのまま下に降りました。

メフィス博士はなにかおぞましい人体実験中でした。緑は彼を捕まえると、そのまま、近くの岩山の物陰つれて行きました。メフィス博士は、何が起きたかわからず、ただ驚き戸惑っていました。

ファルナ「OK、メフィス博士の記憶を解析しました。エレオノーラの居場所判明。かれはそのままこっちに送ってね。左手の指でテレポートさせてください。」

緑「大丈夫か?」

ファルナ「おk。一番重要な腹心を確保。これであとはフェトム総統だけね」


そのとき、2メートル以上ある漆黒のアーマノイドが10体、いきなり現れました。

メフィス博士が口上を述べます。


「これは世界最高クラスの格闘技の使い手たちを誘拐し、さらに殺人サイボーグとして強化した。

けっして敗れることの無い最強サイボーグたちだ。

つまりフェトム総統のサイボーグ親衛隊だ!!わっはっは!」


メフィス博士がぺらぺらしゃべっている間に、緑は素早く、ほぼ0,3秒で1体を殴りつけ3秒で10体を全部一撃で仕留めてしまいました。緑の一撃は漆黒のアーマノイド1体を完全に戦闘不能にするのに十分でした。

メフィス博士が口上を述べ終わったときには、もう10体のアーマノイドは、地面に倒れて戦闘不能になっていました。緑はメフィス博士を左手で指さすと、テレポートマシンが作動し、メフィス博士の姿は消えました。

ファルナ副長の求めに応じて10体の漆黒のアーマノイドも左手で指さし、テレポートさせてファルナ副長のもとに送りました。



緑「エレオノーラはどこにいるんだ?」

ファルナ「メフィス博士の記憶によると首都のジルコニアですね。

暗黒要塞とかいう総統の居城ですねえ。」

緑「そうなのか。じゃあすぐ行こう」

ファルナ「OK」













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