表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ようこそ妖怪探偵社へ  作者: ゲイマス&中国五千年
4/9

第4話

チュンチュン。


「ん、はあー。」


雀の鳴き声とともに、僕はベッドから起きた。昨日はいろいろあって、家に帰ってからの記憶はないが、自分の服装が、パジャマ姿だったし、どうやら、ちゃんと風呂には入ったようだ。


(しかし、昨日は本当にいろいろあったなー。)


そんなことを思いながら、冷蔵庫から、缶ジュースを取り出し、ふるたぶを開けた。プシュッというふるたぶが開く音とともに、

僕は一気に飲みほした。


ピロリン。


ソファーに座って、ニュースを見ようと思ったところで、メールがきた。宛先は、富山さんからだった。


(なになに、「見せたいものがあるから、今日の9時に妖怪探偵社に来い」か一体何だろうか?まあ、行けば分かるか。)


僕は、すぐに私服に着替えて、軽く朝食を取ってから、妖怪探偵社に向かった。妖怪探偵社に続く路地裏は、能力者ならどこでもいいらしく、近くの路地裏に入るとすぐに竜のいる場所に抜けられた。



そこからは、歩いて数分で、目的の探偵社についた。




あまりにも早くたどり着いたことに不思議に思いながら、僕は、妖怪探偵社に入っていった


(本当に、昨日の妖怪探偵社か?)

入ってすぐに、昨日はなかったはずの奥の部屋で30人くらいの人たちが、電話の応答をしながら空いた手で、パソコンを打つ姿が目に映り、ふと、そんなことを思った。



「お、時間ぴったし。さすがは元サラリーマンだね。」


しばらくして、富山さんが出迎えてくれた。


「あのー、彼らは一体?」

ふと、疑問に思ったことを聞くと、富山さんは笑顔で答えた。


「ああ、彼らかい。彼らは、命令メールを送る、探偵社の受付員たちだよ。」

と、富山さんは笑顔で答えてくれた。


「じゃあ、彼らが、僕達に命令を送っているんですね。」


「そういうことだよ。」


プルル、プルルル。プル、プルル


「おっと、失礼。」

そう言って富山さんは、電話を取った。


「はい、もしもし富山です。あ!佐々木さん。はい、はいはい。え、あいつの武器、復元できたんですか。あ、はい。ありがとうございます。」


ピッ!


そう言って、富山さんは、電話を切った




「今の電話って、なんだったんですか?」


電話を切って、しばらくして、僕は聞いた。


「ああ、今の電話は、僕の友人が使っていた、武器の複製が、今日できたことの連絡だよ。さて、ここにいるのも、受付の邪魔になるし、そろそろ、目的の場所に向かうよ。」


僕の質問に、富山さんは答えた後、富山さんは僕を連れて、階段で、2階に上がった。



2階は、仕切られた部屋は一つもなく、ホール会場のように、大きくひらけていた。そして、いたるところに、ガラスケースに入った多種多様の武器が、壁中に展示されていた。その光景に、口を開けて、驚くことしかできなかった。


「驚くのはまだ早いよ。」

そう言って、富山さんは、自分のポケットから、リモコンを取り出して、押した。


ピッ!


リモコンを押す音が聞こえたと同時に、ゴゴゴという音とともに、床から、ガラスケースに保管された武器がつぎつぎと、でてきた。ひらけていた2階は、数分ののちに、周りが武器しか見えない光景に、変わってしまった。


「一体何種類の武器が保管されているんですか?」


ふと、この光景に対してこの疑問が思い浮かんだ。


「まあ、ざっと二千種類かな。」

富山さんは、そう答えた。


「見てのとおり、君に見せたかったのは、この武器庫だ。そして、君に見に来てもらったのは、ここの中からひとつ、気に入った武器をもっていってもらいたかったからだ。」


「ええー!」


そう付け加えられた時には、ただ驚くことしかできなかった。


「本当に、武器をひとつもらっていいんですか?」


僕は、確認のつもりでもう一度聞いた。


「ああ、持っていってくれ。それに、戦うような場面に陥った場合に、武器無しで、一方的に殺される方が困る。」


富山さんは、笑いながら、そう答えた。


(うわー、この職場、生死を争う場合が、あるのかよ。)


話を聞いている途中で、そんなことを思ったのは、内緒にしておこう。というか………


「そもそも、どうやって選べばいいんですか?」


そもそも、まわりが武器だらけの中、どうやって、武器を選べばいいかなんて、はっきり言ってわからない。


「どれも、素晴らしい武器だし。適当に目を閉じて、直感で選ぶのは、どうかな?」


(なんて、適当な。)


ふと、そんなことを思ってしまった。でも、確かにそうかもしれない。こんなにたくさんある武器の中から、たったひとつを選ぶのは、大変だ。だったら、自分の武器を、運に任せた方がいいかも知れない。


(結局、楽なほうに、逃げてるだけかもしれないな。)


そう思いながら、僕は、目を閉じて適当に指さした。指さした方向には、まがまがしく、見るものを圧倒させるような黒と紫で、造形された剣があった。


「あの剣をください。」


「了解。」


少し、不気味さは、あったものの、僕は黒と紫で造形された剣を選んだ。富山さんも、笑いながら、その剣をケースから、開けてそのまま僕に渡した。


「その剣はなんて名前にどうするんだい?」


剣を渡す時、ふと、聞いてきた。どうやら、名前を付けなければならないようだ。


(名前か。全然考えてなかったな。まあ、運に任せて手に入れた剣だしなー。あっそうだ。)


「運命の剣って意味の、ディスティニーソードっていうのはどうでしょうか?」


そう答えた時、富山さんは笑いながら、


「僕もいい名前だと、思うよ。」


一言そう言った。




何か、感想がありましたら、自由に書いてください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ