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エクシィズ外伝  作者: シエン@ひげ
プリンセスにおしつぶされて
98/193

vsブナシメG・アルマゲドン

 試合開始から既に5分が経過。

 幾度目かのステージ変更が行われ、戦いは更に激しさを増していった。

 生き残っている機体の数は、半分を切っている。


「かなり長い時間戦ってるな」


 以前、スバルがカイトと戦った際にゲームプレイ画面を見ていたエイジがぼやく。

 通常の対戦とは違うルールなのは理解していたが、明らかに時間がかかっていた。

 1対1の対戦モードなら、もうとっくに試合結果が表示されているだろう。


「皆、生き残ることに必死だからね。所謂チキンプレイだってやるさ」

「ですけど、皆さん体力があまりありません」


 マリリスが指摘した。

 ゲーム全体の生き残りプレイヤー状況を赤猿の実況画面から確認する。

 スバルのシグナル・ザンをや先程まで戦ったカジキ・ポセイドンを含めて、全ての機体の体力ゲージが半分を切っていた。


「一番体力があるのは……斬撃姫プリンセス・スラッシャー?」

「なに!?」


 名前を聞き、エイジとシデンが画面を覗き見る。


「おい、どう思う?」

「正直、わかんない。でも、お姫様は王位についたばかりだよね?」

「だな。普通に考えたら、ペルゼニアがゲームなんかやってる余裕はないと思うが」


 思うのだがしかし。

 相手はあのリバーラ王の娘である。

 ハチャメチャをそのまま擬人化したような新人類王国の精鋭たちやカイトらXXXのメンバーですら困惑するような、理解の及ばない男がリバーラだ。

 その娘であるならば、平然とした顔でゲームに参加していてもおかしくない。


「おいスバル! 斬撃姫には絶対に近づくな! そいつは他のプレイヤーに相手させろ!」

「え!? なんでさ!」

「なんででも。本当に彼女かもしれないから!」


 プレイに集中しているスバルはエイジとシデンの話が頭に入っていなかったが、どうやら危険な奴がいるかもしれない、程度に頭に叩き込んでおく。

 視界に『斬撃姫』を確認すると、その機体から少し距離をとった。


「あの機体、なんか獄翼に似てるな」

「なに、本当か!?」

「ちらっと見えただけだから詳細はわからないよ。後で赤猿がアーカイブ残してくれると思うから、その時に確認した方がいいと思うよ」


 確認しようにも、斬撃姫の機体はかなり速い。

 空中を目まぐるしく立ち回り、隙をついては敵を刀で切りつけている。

 迂闊に近づくとこちらが撃墜されかねない。


「戦法も獄翼と似てる。珍しくはないけど、速度と火力に特化した機体みたい」

「珍しくないのか。だったら判別はできねぇな」


 腕を組み、困ったように頭を捻るエイジ。

 そんなに怖い相手なのかと疑うスバルだが、そんな彼の集中力は再びゲームへと引き戻された。

 視界の端で『光の腕』が見えたのである。


「あれは!」

「今度はどうした!?」

「夜叉半月の光の腕!」

「なんだっけそれ」


 聞いたことがある気がする機体名である。

 だが、どこで戦ったかは覚えていない。

 そんなシデンとエイジに向けて、スバルは改めて名前を言う。


「……確か、超団長ロボ、ブナシメGとかいう奴」

「ああ、あれか!」

「スバル君が足で操縦したせいで酷い目にあった奴だね」

「まるで俺が足で操縦したらいけないような言い方しないでよ!」

「実際いけないことだぞ」


 読者諸兄は絶対に真似しないでいただきたい。

 

「ていうか、あれもゲームに登録されてるのか?」

「確か3機しか作られてない幻の機体なんじゃなかっけ」

「ええっ!? そんな凄いブレイカーまで出てきてるんですか!?」

「ゲームだからなんでもありなんだよ」


 それに夜叉半月は通常、ブレイカーズ・オンラインではあまり見ない機体だ。

 なぜならば、


「通常対戦だと、合体に使う残骸が拾えないからほぼ乱戦専用機体なんだよ」

「なるほど。じゃあ正にこのルールにぴったりってわけだな」

「でもゲームだからある程度の合体構造は制限されるよ。出てくるのは大体ボスになるような大型機体。生き残ってる機体が殆どワンコンボで死にそうな状況だから、一気に勝負をつけにきたな」


 先に脱落した機体を光の腕で掴みとり、それを引き寄せる。

 身体の各部から伸びた光の腕はそれらを丸め込むと、無理やりブレイカーにくっ付け始めた。


「粘土みたいですね……」

「生き残ってる機体でも捕まったら終わりだ。でも、腕の速度は遅いから回避自体は簡単だよ!」


 問題は出てきたボス機体をどう倒すか、だ。

 当然ながら勝算はある。

 だが、それはあくまで直接対決が前提だ。

 まだ多くの生き残りがいる以上、あまり無理な行動に出たくない。


「敵の名前は……ブナシメG・アルマゲドン」

「ぶなしめ」

「じー」

「あるまげどん」


 どこかで聞いたことがある名前を聞き、3人の仲間が肩を落としながらジト目で画面を見る。

 確かにそう登録されている機体名だった。

 同時に、パイロット名は『団長』とある。


「……もしかして、あの爆発で生きてたのか」

「まさかこんな形の再会になるとは思わなかったね」

「どんな機体だったんですか?」


 マリリスが興味本位で以前のブナシメGを聞いてくる。

 すると、感情のない瞳のままスバル達は答えた。


「ドリル」

「馬」

「キノコ」

「なんですかそれ」


 意味が分からない。

 ドリルはまだわかるとして、馬とキノコには何の意味があるのだろうか。


『おっと、何てことだ! ブナシメG・アルマゲドンの正体は夜叉半月だ! その特性を利用して、一気に巨大化していく。これはロボアニメとかだと負けフラグだけど大丈夫か!?』

「速攻で落としたいけど!」


 その為の秘策はある。

 シグナル・ザンにもとっけおきを用意してきた。

 だが、まだ見せたくない。


 だからできるだけ実力勝負の接近戦で勝負をつけたいのだが、まだ50機も生き残っている時点で目立つ機体に立ち向かうのは宜しくなかった。


「具現化が終わるぞ」

「どうして誰も攻撃しないのさ!」

「取り込まれたくないからだよ!」


 長い合体モーションが終わり、ブナシメGが巨大化していく。

 このムービーが流れている間は無敵判定の塊となり、巨大化が終わった瞬間から判定が発生しはじめる。


 故に、攻撃を仕掛けるならその瞬間。


『でたー! これがブナシメGの姿か!』


 ボスのグラフックは戦艦タイプを選択。

 先端にはいつか見たドリル。

 そしてなぜかキノコのイラストが描かれた装甲が特徴的なボス機体だ。


 尚、流石に馬の乗り物は再現されていなかった。

 そこから派手なビームをぶちかまされた身としては、とても安心する。


「他の機体が一斉に攻撃しはじめるぞ」

「ていうか、流石にデカイな。これなら的になるんじゃねぇか?」


 ブナシメGの大きさはボス機体だけあって巨大だ。

 シグナル・ザンと並べると正に蟻と巨像のような光景になる。


 それだけ大きいと、いかにボス機体といえど多くの機体から攻撃を受けるだろう。

 事実、スバルも接近武器でなければ勝負を挑んでいた。


 だが、今回がそれが幸いした。

 何故ならば、ブナシメGに向けて放たれた射撃武器の悉くが、本体に辿り着く前に反射されてしまったのである。


「エネルギー反射板だ!」

「どうなる!?」

「ぶっぱなされた砲撃は全部跳ね返る! 体力が殆ど残ってない機体は致命傷だ!」


 直後、ステージの各所で爆発が発生。

 50機近く生き残っていた機体の内、瀕死だった10機が蒸発した。

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