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エクシィズ外伝  作者: シエン@ひげ
超人大決戦! ~超人VS怪盗VS警察VSサイボーグ~
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vs女神の脳天

 自由の女神が飛び蹴りでPOJに襲いかかる。

 迎撃に砲身を向けられたことを察知したのか、自由の女神は防御手段も同時に機能させた。その手段は、


「聖書を掲げたぞ!」

「意外と器用だな」


 飛び蹴りで宙に浮きながらも自由の女神は聖書を掲げ、それを右肘に取り付けた。

 直後、聖書が開く。

 解き放たれた頁からは光が溢れ出し、自由の女神の前に巨大な盾を形成していった。


「シールドだ!」

「すげぇ!」

「凄いけど、よく怒られなかったな」


 率直に疑問を投げかけるカイトだが、その返答はポリスマンからあっさりと返ってきた。


「大統領が許したからな!」

「すげーな大統領」


 権力的な意味でも、理解力的な意味でも。

 よくあんな魔改造を許可したものだ。カルロス大統領は戦争には否定的だと聞いていたが、それ以上にSFが大好きなのかもしれない。


『そんなシールドなど、力で薙ぎ払うのみ! 正義的にな!』


 一方のPOJは強気の姿勢を崩さない。

 自由の女神がなにを仕掛けてこようが、圧倒的なパワーで勝利を毟り取るスタンスを変えるつもりは毛頭なかった。

 中にいるジャスティスからしてみれば、自由の女神がなにをしてこようがビックリドッキリの素敵なショーでしかないのである。


 力こそが正義。

 この主張を押し通せばすべてが丸く収まるのだから。


『我らの正義の前に砕け散れ!』


 砲身から光が放たれる。

 解き放たれたのはエネルギーの球体だ。ピッチングマシーンから発射された白球のように飛びだしたそれは、曲がることなく一直線に自由の女神へと飛んでいく。


『さらばだ、女神像! 正義の前に崩れされ!』


 ジャスティスが力強く叫ぶ。

 それと同時、光の弾が聖書の盾に命中した。


 爆発。

 爆風。

 爆炎。


「ああ! 聖書が!」

「頑張れ、負けるな自由の女神!」


 直撃を受けた自由の女神を目撃し、エールを送るスバルとエリック(怪盗)。

 尚、彼らの後ろでカイトとマーティオ(こちらもまた怪盗)は共に腕を組み、顔色を変えることなく会話していた。


「アイツら、なんであんなに盛り上がってるんだ?」

「馬鹿だからじゃねーかな」


 だが、その盛り上がりは加速した。

 爆炎の中から自由の女神が舞い上がったからだ。勿論、五体満足で。女神の身体はPOJのエネルギー弾を受けて無傷だったのだ!


「おお!」

「すげぇ! 聖書すげぇ!」

「聖書の力ってすげー」


 それだけではない。

 女神は飛び蹴りの姿勢のまま、急上昇。

 下半身から青白い光の粉を噴出しつつ、POJ目掛けて飛びかかった!


『むお!?』


 完全に不意を突いたその一撃は、見事にPOJの顎に命中。

 コックピットを大きく揺らし、そのまま落下させる。


『まだまだ!』


 体勢を立て直し、POJの飛行ユニットが再び起動。

 巨大な鋼の身体を再び宙に浮かせ、今度は自由の女神にタックルを敢行した。


『とぅ!』


 聖書の盾にタックルが突き刺さる。

 激しい振動と共に自由の女神はバランスを崩し、そのまま落下。ビルを崩し、大地に転倒した。


「やられたのか!?」

「FVIはあの程度でやられん!」


 断言するポリスマン。

 だが、自由の女神は起き上がらない。


「おい、立ってこないぞ! あれはなにかの作戦か!?」

「む!?」


 違和感を感じたのか、ポリスマンが身体を操作する。

 その動きに合わせて動く筈の五体は、ぴくりとも動かない。


「いかん、モーショントレースシステムに異常が生じた!」

「なぬ!」

「て、ことはアイツは動けないのか!?」


 起き上がってこない自由の女神。

 不審に思いつつも、ジャスティスは確実な方法で始末をつけようと砲身を構える。


「砲身を構えられたぞ!」

「なんとかならんのか!?」

「FVIはモーショントレース以外でも動かせんことはないが、遠隔操作には対応していないのだ。動かすには、直接コックピットから操作せんといかんのだが、いかんせん俺はそっちがからっきしでな……」


 申し訳なさげに謝るポリスマンだが、彼の言葉にスバルとカイトは素早く反応する。


「つまり、アイツは普通に動かせるのか!?」

「ああ。ブレイカーと同じタイプの操縦席も用意されている。あくまで簡易的なのだが」

「聞いたな、スバル!」

「オーケー!」


 人質になっていた筈の少年が親指を突き立てた。

 それと同時、カイトは素早く指示を出す。


「おい、怪盗共! シデンたちは!?」

「あの男女なら毒にやられてダウンだ! 女の子の方は付き添ってる」

「そうか。なら怪盗根暗!」

「あ?」


 誰が根暗だ、と言いたげな口調でマーティオが振り向くと、カイトはスバルの背中を叩く。


「お前、確か飛んできたな」

「それがどうした」

「コイツを自由の女神まで連れて行け」

「あ!?」


 なにを言ってやがるこの野郎、と文句を言う前にカイトは次の行動へと移っていた。

 彼はポリスマンに問いかける。


「アレのコックピットはどこだ?」

「頭の冠のとことだが……まさか、その少年にやらせるのか!?」

「心配するな。コイツならなんとかする」


 断言した。

 怪盗もポリスマンもカイトのことを詳しく知るわけではない。だが、彼がここまで断言するのであれば、相当な実力があるのだと察することができた。

 勿論、カイトがこれまでデタラメな戦闘力を見せつけたのも理由のひとつである。

 彼が『俺が行く』ではなく『コイツにやらせる』というのなら、それが確実な方法なのだろう。


「ちっ。仕方ねーな。おいガキ。超特急で飛んでいくからな。しっかり捕まってろ」

「宜しくお願いします!」

「いい返事だな、テメェ。元気なのは嫌いじゃねぇ」


 背中から翼を展開し、マーティオは飛翔。スバルを抱きかかえ、自由の女神へと飛んでいく。


「で、俺たちはどうする」

「無論、アイツの足止め。あるいは破壊だ」


 親指でPOJを指差すと、カイトは姿勢を屈んでダッシュの体勢に入る。


「今、戦えるのは俺たちだけだ。俺たちで破壊できるならそれでよし。できない場合はアイツに任せる」

「ブレイカーに生身で挑むつもりか!?」

「問題あるか?」


 真顔で言われた。

 この時、エリックは思う。コイツはマジで化物だ、と。


「確かにな。平和を守れるのは俺たちしかいない。だったら俺たちがやるしかない。簡単じゃないか」


 尚、ポリスマンはとても乗り気だった。

 彼はマッスルポーズをとったかと思うと、そのまま奇声を発しながら猛突進していく。


「ウホホホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオイ!」


 その雄叫びは、まさにゴリラ。

 正義の装甲を纏った野人が、POJに突進していく。


「……無理に付いてこいとは言わん。自信がないなら下がってろ。邪魔だからな」

「自信なんかねぇよ。俺は壊すの専門じゃねーし」


 だが、仮面の奥でにやりと笑いながらエリックは袖を捲る。


「盗むのが専門だ。アイツの部品を全部ぶんどってやれば問題ないだろ?」

「できたら上出来だな。いくぞ!」


 言うと同時、超人と怪盗もまた疾走する。

 向かう先は力の化身。各々が得意とする分野で、彼らは戦いを挑む。

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