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夢日記  作者: 葵枝燕
二〇一八年
8/19

繰り返す朝(二〇一八年三月九日)

 こんにちは、葵枝燕です。

 連載『夢日記』第八回でございます!

 この作品は、何か面白い夢見た、これは誰かに伝えたい、記録に残しておきたいーーそう個人的に思った夢を、書いていくものとなっております。

 今回は、二〇一八年三月九日に見た夢です。久々に、憶えている夢を見た気がします。寝る時間を削って、スマートフォンいじってるのが悪いんですけどね。こんなことする暇なんて、ほんとはないというのに……。

 そして、実は一年前の三月九日が、『夢日記』連載開始日なんです。ということは、今日でちょうど一年目ですね。何だか感慨深いものがあります。

 そんなわけで。もしよければ、私の見た夢の話にお付き合いくださいませ。

 本当は禁止されているのだが、二階の自室にスマートフォンを持ち込んだ。「アラームをかけるから」なんて言い訳しているが、ゲームをしたり動画サイトを見たりというのが実情だ。それに実際のところ、スマートフォンでアラームをかけようが、目覚まし時計をセットしようが、私には大した意味はない。どちらにしろ、起きられないのだから同じことだ。

 とにかく、充電しながら、気が済むまで動画サイトを見ていたら、午前三時を過ぎていた。久しぶりに学校に行くつもりだったから、そろそろ寝なければ後がつらくなることは明白だ。スマートフォンのサイレントモードを解除し、イヤフォンを引き抜いた。イヤフォンはピンク色の巾着袋に乱雑に突っ込み、スマートフォンは枕元に放り投げてから、仰向けになり目を閉じる。


 そして、こんな夢を見た。


 私は目を覚ます。アラームによって起こされたのか、自然と目が覚めてしまったのかは憶えていないが、なぜかいつもと違い割と覚醒していた。いつもなら、起床直後はまだ眠気をかなり引きずっているのだ。

 妙にハッキリとした頭のまま、私はスマートフォンから充電コードを引き抜いた。そのまま、延長コードにさしたプラグを引き抜く。そして、それを巾着袋に突っ込んだ。イヤフォンを入れた、あのピンク色の巾着袋である。一発できちんと入ることはほぼないため、無理矢理押し込んでから巾着袋の紐を引いた。


 そんなところで目が覚めた。廊下の向こうにある寝室で、子機が鳴く音がする。それに、姉が私の名を呼ぶ声も微かにする。

 枕元のスマートフォンを見て、私は少しだけ驚いていた。充電コードが刺さったままだったのだ。

(ああ、なるほどねぇ)

 充電コードを抜き、まとめて巾着に押し込んだ、あの一連の記憶――それが、夢だったと気付いたのだ。つまり、今からもう一度、同じことを繰り返さなければならないことを意味している。

(現実だったならよかったのにな)

 上体を起こし、スマートフォンから充電コードを引き抜く。足下にある延長コードからプラグを引き抜く。それらをクルクル丸めて、巾着袋に入れる。枕元の眼鏡をかけて、充電コードとイヤフォンとハンドクリームとリップクリームの入った巾着袋とスマートフォンを持って立ち上がる。二度寝する気にはなれなかった。いや、そもそもこれはきっと二度寝なんてものではないはずで――まあ、何度寝だっていいのだが、とにかく再度寝直す気にはなれなかったのだ。

 妙に冷たい空気と、台風の日に似た風の音が、周囲を包んでいた。私は、一階に下りるため、自室を後にしたのだった。

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