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夢日記  作者: 葵枝燕
二〇一七年
6/19

十三時!?(二〇一七年十月三十日)

 こんにちは、葵枝燕です。

 連載『夢日記』第六回でございます!

 この作品は、何か面白い夢見た、これは誰かに伝えたい、記録に残しておきたいーーそう個人的に思った夢を、書いていくものとなっております。

 今回は、二〇一七年十月三十日に見た夢です。久々に、夢を見た気がします。そして、二度寝はすべきじゃないのかもと思います。いや、そもそも夜更かしがダメですね。

 そんなわけで。もしよければ、私の見た夢の話にお付き合いくださいませ。

 目を覚ますと、部屋が明るかった。どうやら寝る前に、電気を消すのを忘れていたらしい。よっぽど疲れがたまっていたのだろうか。

 手元に置いてあったスマートフォンの電源ボタンを押すと、五時十八分と表示された。今日は朝イチの講義があるが、それでも起きるにはまだ早い時間だ。そこまで思ってから、重要なことを忘れていることに気付いた。それはある意味私にとって、電気を消すのを忘れていたことよりも重要なことだった。

 中学生のときからつけ始めている日記を書いていないことを思い出したのだ。最近では日付をまたいでから書くことも多くあるが、それでも、ほとんど欠かすことなくつけ続けている。寝る前に書くことにしているそれを、書いた記憶がない。慌てて枕元の大学ノートに手を伸ばし、手早く、昨日あったことを書き留める。そして、ノートを元の場所に戻して、電気を消した。一時間くらい寝ていようと思ったのだ。


 そして、こんな夢を見た。


 目を覚ますと、やけに明るかった。蛍光灯による無機質な明かりではない。カーテンに遮断されてはいるものの、間違いなく太陽光だ。

 単純に、朝なのだと思った。だが、私はすぐに違和感を覚えた。朝にしては、いやに明るすぎたのだ。

 手元に置いてあったスマートフォンの電源ボタンを押す。そして私は、我が目を疑った。

(じゅ、十三時!?)

 十三時ということは、つまり、現在は午後一時ということだ。私の記憶では、今日は月曜日で、朝イチで講義がある――はずだ。朝イチの講義は、九時から十時半まである。つまり、だ。

(遅刻どころの問題じゃない!)

 今さら騒いだところで既に遅い。授業はもう、三時間も前に終わっているのだから。もういいやと、諦める気持ちの一方で、私にはこんな思いもあった。

(何で、誰も起こしてくれないんだ!!)

 

 そんなところで、目が覚めた。廊下の向こう、母と姉が一緒に寝ている部屋から子機の着信音がする。私と姉を起こそうと、母が階下の親機を使って鳴らしているのに違いなかった。それが止まり、姉が階段を下りていく音が聞こえた。

 スマートフォンを(つか)み、電源ボタンを押す。表示された時間は、六時四十四分。十五分ほど過ぎてはいるが、ほぼいつもどおりの起床時間だ。

 間を置いて、あのとき思ったことを思い出した。あれは、朝に弱く寝覚めが悪い私を起こしてくれる母や姉に対する、理不尽な不満だった。すっきり起きられることが滅多にないくせに、夜更かししがちな私を棚に上げたものだった。

(でもまぁ……夢で、よかった)

 痛む身体と、止めようのない睡魔と、なぜか冷えている空気。それらを引きずるように、私は起き上がった。そして、密かにこう思った。

(五時に起きたときに、起きればよかったな)

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