表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢日記  作者: 葵枝燕
二〇一七年
2/19

イヌと忘れ物(二〇一七年四月十五日)

 こんにちは、葵枝燕です。

 連載『夢日記』第二回でございます!

 この作品は、何か面白い夢見た、これは誰かに伝えたい、記録に残しておきたいーーそう個人的に思った夢を、書いていくものとなっております。

 今回は、二〇一七年四月十五日に見た夢です。

 もしよければ、私の見た夢の話にお付き合いくださいませ。

 珍しく日付をまたぐ前に布団に入った。ここ最近、夜一時過ぎまで起きているのが普通だから、二十三時台に寝るなんて久しぶりのことだった。

 本当は、NHK-Eテレで、日付が変わる五分前にやっている番組が見たかったのだけれど、起きているのが面倒だった。


 そして、こんな夢を見た。


 夢の中での私は、どうやら身体の自由があまり利かないらしかった。身体のどの部分が悪いのかは、今となっては思い出せないが、誰かに支えてもらえなければ歩けないようだった。ヘルパーさんらしい人に支えられながら、家から少し離れた場所に止まっているタクシーに乗り込む。

「あれ? ない……」

 私はそこで、いつも出かけるときに持っている(かばん)がないことに気が付いた。青地に白い水玉柄のショルダーバッグだ。いつもそれに財布やらスマートフォンやらを入れている。

「どうしよう……」

 家に戻って取ってきてもよかったのだが、一人で歩けない私には無理だった。それに、待ち合わせの時間でもあるのか、急いで出発しなければ間に合わないようでもあった。困っていた、そのときだった。

「ワンッ!」

 そんな声がした。そこを見ると、開きっぱなしだったタクシーのドアの向こうに、クリーム色のゴールデンレトリバーが座っていた。

「◯◯!」

 そのとき私は、その犬の名前を確かに呼んだのであるが、今はもう思い出すことができない。おそらく、“シロ”とか“ポチ”とか、そんな名前だったのではないだろうか。

 その◯◯の口には、私がさがしていた鞄がくわえられている。

「◯◯、持ってきてくれたの? ありがとう」

 鞄を受け取ると、◯◯は誇らしげに、

「ワフッ!」

と、鳴いた。

「ありがとね、◯◯。行ってくるね」

 そう言って頭を撫でると、◯◯はまるで「自分の役目は果たしたな」と言わんばかりに、回れ右して走り去る。

「◯◯、車!」

 脇目も振らず走っていく◯◯の様子を、リアガラス越しに見ていると、両側から車がやってくるのが見えた。◯◯は、そんな道路の様子に気付いていない。

「危ない、止まって!」

 そう叫ぶ。このままでは、◯◯は車に轢かれてしまうかもしれない。

 しかし、そうはならなかった。◯◯に気付いた車が止まってくれたのだ。そのおかげで◯◯は怪我することもなく、家に帰り着くことができた。

 私はそれを見届けて安心し、前方へと身体の向きを変えたのだった。


 そういったところで、この夢は終わった。

 しかし今の我が家には、イヌはおろかペットの類はいない。それ以前に、私はイヌが苦手だ。例えそれが、小型犬や仔犬だったとしても、恐怖心がまさってしまい逃げ出さずにはいられないのだ。

 それなのに、よくもまぁ夢の中ではイヌと触れ合えるよなーー……。

 わりとよく、イヌと仲良くしている夢を見る。イヌ恐怖症のくせに、不思議なものだ。

 夢の中ならイヌ好きなのかもしれないーーそう思いながら、まだ残る眠気をかき消すように目をこすった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ