妙にリアル(二〇一七年三月九日)
こんにちは、葵枝燕です。
新連載『夢日記』を、はじめたいと思います!
何か面白い夢見た、これは誰かに伝えたい、記録に残しておきたいーーそう個人的に思った夢を、書いていきたいと思っています。
今回は、二〇一七年三月九日に昼寝したときに見た夢です。
もしよければ、私の見た夢の話にお付き合いくださいませ。
久しぶりに、寝室でiPod touchをいじっていた。母や姉と雑魚寝状態のこの部屋だが、私はここ数ヶ月、自分の部屋で眠っているから、本当に久しぶりだったのだ。そうしたら、何だかだんだんと眠くなってきた。駄目だ、勝てないーーそう思って、iPod touchを放り出して眠りについた。
そして、こんな夢を見た。
何かの気配を感じて目が覚めた。視界の先にある窓の向こうが、真っ暗である。
iPod touchをいじっていたとき、たまに時計を見ていたから、十五時までの記憶はある。あのときはまだ明るかった、はずだ。
それなら、今は一体何時なのだ?
「起きたば?」
頭上から、そんな声がした。突然飛び立ったハトの羽音にさえ驚くくらいビビりなはずの私だが、そのときはなぜか驚かなかった。本のページを捲る音がする。
見なくてもわかった。多分、その気配を感じて目が覚めたのだろう。
そこにいたのは、姉だった。
私は姉に、いつ帰ってきたのかとか、今が何時なのかを訊ねた。姉は私に、ついさっき帰ってきたこと、寝てたから邪魔しないように漫画を読んでいたこと、今が十八時ぐらいであることを教えてくれた。
「めっちゃ寝てたわぁ」
「寝過ぎだろ」
そんな会話を交わして、私はそこでようやく上半身を起こした。
そういったところで、目が覚めた。カーテンを閉めきった部屋の中だが、それでも明るさはある。視線の先にある廊下のくもりガラスの窓も、明るい光を伝えている。
は……? ちょっと待って、今までのって夢なのかーー……?
妙にリアルな夢だなと、そう思いながら、私は起き上がる。
考えてみれば、姉が寝ている私を起こさないはずがないのだ。「えぇ! いつまで寝てるば、起きれ!」ぐらいは、言ってのけるはずなのだ。
ああ、やっぱり夢だったんだな。本当、妙にリアルな夢だった。そう感じて、私は寝室を出たのだった。