悪役転生で良かったですわ!
リハビリ作品第2。
ギャグにしたかったんですけどね・・・・・どうしてこうなった?
本気で世界観と出だしだけが戦隊ものって感じでしょうかorz
「また現れたな!宇宙海賊アルカイド!!」
「今日こそ成敗してやるわ!」
「これ以上地球を荒らされるわけにはいかない!!」
「我ら忍術戦隊シノビが貴様らを倒す!!」
「覚悟しろ!四天王の1人、悪女ブラッディローズ!」
ドーンという効果音と共にポーズを決めて現れたのは、四角い画面の中で幾度と見たことあるような赤・青・黄・桃・黒の5色の ――自分なら絶対に来たくない服を身に纏った――・・・5人組。
「おーっほほほほ!お黙りなさい、愚民共!」
そんな5人組を高笑いと共に少し高い位置から現れた煌びやかな美女・・ことわたくしは、尊大な態度と共に命令を下し、多数の部下を呼び彼らと戦わせる―――
―――――――・・なんてことはなく、取りあえず条件反射でいつものセリフを言ってから、深いため息と共に彼らを見下す。
「―――・・とでも高飛車に言えば満足かしら?それよりも、わたくしにそんな品のない二つ名を付けないで下さる?あぁ、ほんっとーに不愉快ですわ・・さすが恥も持たずにそんな全身タイツ着れるわね、理解できない。したくないですわ」
ってか、血塗られた薔薇ってハッ鼻で笑っちゃうわ。
そんなかわいそうな物を見る目で彼らを見下ろしていると、彼らも狼狽えだす。
「う、うううううるさいわね!」
あー・・彼らにざっくり刺さったわたくしの言葉の矢が見えるけど、まぁいいっか。
そうそう、わたくしこの星と類似した星に居てなんやかんやあって今の自分に転生したみたいで、前世の記憶あるのよね。え、そんなにさらっというなって?
だってねぇ、前世でTVの戦隊もので見ていたもので実際自分が出演者の1人、しかも無様にやられる悪役の1人とかないわ~っておもうじゃない?幼心に色々突っ込みいれてたわ~・・・。
前世を思い出したって言ってもぼやぁ~っとって感じだし、地球っぽいけど私が住んでいたあの地球じゃないのは確認済み。宇宙には銀河系が沢山あるんだもの、類似している星があっても不思議じゃない。
そして、前世を思い出したら「そんな悪い事は駄目よ」とか「フラグ折んなきゃ!」とかいろいろあるだろうけど、私にはそんな焦りなんて一切ない。
他の星では略奪だのなんだのやって来たけど、ここへきて前世思い出してよかったわ。確かに死亡フラグを立てたくなんてないけど、皆話せば分かるし宇宙に出る前に住んでた星は平和そのものだったもの。
あっと、やばいやばい。
彼らを放って置いてまた自分の世界に入っちゃったわ。
「こっちだってヒーローってことにあこがれてて、最初はこんな衣装だなんて・・ってうるせぇな!!」
「お前だってこんな露出狂な様な恰好よく平気出き・・・」
わたくしの先ほどのセリフにまだ言い訳の様な言葉でギャーギャー言っている彼らを微笑一つで黙らせて、私は彼らに言われた自分自身の服装を見下ろすが・・・はて??。
「魅惑のGカップの覗く胸元・真っ白ですべすべな細長い手足・引き締まったウエスト(56cm)にきゅ~っと上がったお尻・波打つ銀髪に赤い瞳・・・あら、おかしいわ。陛下や仲間には似合っていると言われたんだけど、わたくしに似合っているでしょう?」
まるで、というよりは完璧にといった方がぴったりの容姿をしている今世のわたくし。前世のまな板でちびで不細工だった容姿の自分を思えば、最高の見た目で自分自身の事を気に入っている。
ゴシック系チャイナっていう感じの服を着ている自身を見下ろすが、すぐ目に入る2つの真っ白な小山は零れ落ちそうなほどで、深く入ったスリットから覗く足も自画自賛できるほどだし、何よりこの服は我らが主のシリウス様がわたくしの誕生日にプレゼントしてくださったお気に入りだ。
彼らを見下ろす位置にいるのだが、上目使いの様に彼らを見て少し首を傾げて問えば、彼らは ――フルフェイスのメットで顔は見えないが―― 顔を真っ赤にさせているのがわかる。
「そこの年増な桃色の抉れた胸よりも16歳のわたくしの豊満な胸の方が見ているのもいいのじゃなくて?因みに陛下は19ですわ」
「あ~・・・お前24だもんな~」
「あ、憐れみの視線を向けるな!ってそれで16?!」
「若!!」
「わたくしの脚・・素足ですのよ?美しいでしょう?」
「う!・・ま、眩しい!!」
「若いっていいよな~」
「だ・ま・れ・ロリコン!」
「この服はわたくしの為に陛下が特注で作ってくださったものなの、似合わない?」
「いいえいいえ!!!お似合いでございます~」
「・・・・」(うんうん)
「こっ・・こらー!あんたたち!!」
1つづつ確認しながらそう問えば、桃以外のメンバーは恭しく跪いて屈した。(内1人は頷いているだけ)
周りに居た取り残されたギャラリーたちも、老若男女問わず頬を染めて頷いていて、中には拝む者までいる。
言っちゃ悪いのはわかるけど・・・これ、戦隊モノというよりギャグよね?わたくしのせいかしら?
ま、知らないけど。
一応悪役だし?それ相応の喋り方もしてるけど、前世の自分もいるわけで・・・
「って、他のメンバーは・・・ここに来ても大したことしてないはずよね?まぁ、ともかくわたくしはとくに地球を乱してはいないじゃないの。爆買いはキチンとお金を払った等価交換でしょ?わたくしは今のこの星が気に入ってるもの、あの方達を止めてあげているのだから感謝こそされ批判される筋合いないですわ」
呆れ果ててしまうと言葉が雑になってしまうのは割合で!
でも、わたくしは間違ったことは言ってないじゃないの。
因みに陛下ことシリウス様は今PS4のゲームに夢中だし、参謀長のムルジルなんか料理にはまって今は3つ目の国に修行に行ってて留守だし、陛下の弟君のレグルス様も今頃シリウス様とゲームをしているんじゃないかしら?
あのお二人って本当に幼い頃からブラコンで仲良いのよね~!あ、別にBでLって訳じゃないし、わたくしもその趣味がある訳じゃないですわよ?
あと一人いる四天王って呼ばれているウェズンなんかは、少年ものから少女ものまで幅広くアニメにはまっちゃったし・・・え?わたくし?わたくしは服と本ね。前世で憧れていた服が着れるし、前世から続けて物語が大好きよ!
今日の買い物だってムルジルとの勝負に負けちゃったからパシリみたいなものだもの・・・早く帰って本が読みたいわ!
「ふぅ・・・興ざめだわ。わたくしは帰りますわ、ごきげんよう」
「あ、まちなさい!!」
喚き散らしているヒーロー(笑)の桃色をしっかりと無視をして、ゲートを展開してさっさとくぐると、わたくしの買い物に着き従っていた部下3名も続いてゲートをくぐり、一瞬にして大気圏外にあるわたくし達の母船へと帰還する。
「お前たち、シリウス様とレグルス様へのお土産はわたくしがお持ちしますわ。それ以外の物を各部屋へお運びなさい」
「「「かしこましました」」」
土産を手にし陛下の部屋へ向かって歩を進める、窓の外へ目を向けると果てしない暗い宇宙空間と幾億光年との光を携える数々の星、そして青い光を放つ懐かしくも憎らしい星が視界に入った。
喧嘩別れをするように我らの星を飛び出したのはいつの事だっただろうか、後悔なんてしてないし懺悔という気持ちも持ってはいない。
だけど、前世の記憶を取り戻してから何となくセンチメンタルな気分になる事が多くなってしまった。
「っと、自滅したくないから記憶を思い出したのは良いんだけど・・・気持ちだけが厄介ね」
記憶を思い出せたのは、よかったって素直に思えるわ。じゃなきゃ、平和な国に生まれつつも反抗心しかもっていなかった私たちがこの星でぎゃふんされて終わりだったかもしれないもの。
「さ、愛しい陛下におほめの言葉を頂いて陛下の近くで読書しますわ!」
頭を軽く振って、足取り軽くわたくしはシリウス様達がいるであろう玉座の間へと足を勧めた。
ある星では色々理不尽に責められたりとか ーーーまぁ、シリウス様がぶちギレて見る影もなく沈めましたけど。
またある星では謂れの無い不当な罪を押し付けられたりとか ーーームルジルとレグルス様に逆に心身ともに攻めぬかれて廃人にされてましたけど。
わたくしも記憶を思い出すまでは色々悪逆非道なことやっていましたし、その内因果応報でギャフンされることになろうとも・・・・ーーーーー
ーーーーーー・・心の底から全身タイツじゃなくて悪女で良かったですわ~!!!
悪役全員星の名前からとりました!
出すタイミングなかったですが悪役紅一点の彼女はシャウラ。
蠍座の星で毒針と言う意味です!
微妙な設定だけは考えたんですけどね(汗)
因みに、結構中途半端ではありますが・・全くこのあとは思い付いてないので続きは絶対に出せません(T^T)