6/22
エルフの少年
ベットの上、エルフの家だ。
朝起きるとまた同じ場所にいた。
少女は怖くなった。
部屋に誰か入って来た。女性のエルフじゃない。
柔らかい服を着た細身の少年。
銀髪のエルフの少年だ。
「おはよう」
柔らかい笑顔で声をかけてきた。
美しい容姿をしている。ただ、何を考えているかは読み取れない。
傍らにあった、金色の液体が入った瓶をとると、
カップについで、私の前に差しだした。
私は受け取らなかった。エルフの少年は、カップを傍に置き、
「飲みたくなったら 飲んでね」
そう言うとベットに座って、少女の顔を覗き込む。
「今日は元気がないんだね?
どうしたの?」
少女は思い切って言ってみることにした。
「お家に帰りたい」
エルフの少年はふわりと微笑み少女に言った。
「もうここが 君のお家だよ」
少年の瞳の色は紅い。