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エルフの森  作者: 朝乃 ことり
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花のじゅうたん

 見たことのない美しい世界。

少女はバルコニーから外に出た。

絵画のような世界が広がっている。

 輝く湖、高波を思わせる形の崖、木々のきらめき、

地面に茂る草花さえキラキラしていた。

 知らない世界だが、恐ろしさは感じない。

もっといろんなものが見たい。少女は

駆け出し、小さな丘にたどり着いた。美しい花のじゅうたん。

黄金に輝く空と雲。少女はうつぶせになり、

花のじゅうたんの上で眠った。

 目が覚めると薄暗くなっていた。

明るいときに見た景色と違う。

 どうすれば、さっきいたエルフの家に戻れるだろうか、

少女は初めて怖くなった。

 でもここに居て明るくなったら、

戻ることができるかもしれない。

 幸い気候は温かい。凍死したりはしないだろう。

少女は花のじゅうたんにまた寝ころんだ。

 星は瞬いていた。

夜さえも輝く世界。少女は深い眠りに落ちていった。

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