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ラクセイリアの一人と二人  作者: 轟 響
第二章:ユウの契約
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初武装

副題はゲットだぜ。


「へーい、少年君。俺が来たぜー」

「あ、来たか」


 もうそんな時間か、とりあえずユウを迎えるか。


「おう、おはよう。いらっしゃい」

「おはよ、じゃまするよ」

「あ、おはようございます」

「はい、おはよう」

「それで今日はどうするんだ?」

「まずドールさんのところで剣を受け取る、次に外に出て剣の振り方とかを教える。昼までやったら飯を食う、そして戦い方を教えるって流れにするつもりだがよ」

「わかった、世話になるよ」

「ユウさん、お兄ちゃんをお願いします」

「ああ。あ、そうだ。妹ちゃん、これをあげる」

「えっと?」


 赤い…なんだこれ?


「イチゴだけど見たことないかい?」

「初めて見たな」

「私もです」

「こっちだと馴染みなかったっけ? これはイチゴって果物で、洗った後ヘタとってそのまま食えばいい、甘酸っぱくておいしいよ」

「ありがとうございます!」


 いいな、俺も食いたい。果物食うことあんまりないし。


「少年君の分はあとでやるさな」

「やったぜ」


 やっぱ気前はいいよな、こいつ。というかこれまでに色々貰いすぎだな、俺。


「さって、行くぜ。またね妹ちゃん」

「ああ、ロール、行ってくるよ」

「はい、いってらっしゃい」

さーて、念願の剣を手に入れに行くぞ。



ウキウキとした気分を隠せずに軽い足取りでドール爺さんの店へと向かう、いつも通りの店構えだが、なんだかいつもと違う気がしてしまうのは何故だろう? はやる気持ちを抑えつつ、店の扉を開く。


「ドール爺さん、剣をもらいにきたぜー」

「失礼するよ」

「ようやっと来たか。ほれ、これがお前さん用の剣じゃ」

「おお、こいつが!」


 やっと俺専用の剣を手に入れたぜ!テンション上がるな!うわー、マジでうれしいな。


「ほーん、ショートソードにしては柄が長いな」

「気付いたか、それは両手でも使えるようにしてある」

「少年君の体格だとロングソードは厳しいというだけで、ショートソードとして運用するわけでじゃないしね、失念してたよ。ドールさん、あなたはかなり腕の立つ職人であるようですね」

「ふん、ラインはわしにとって孫同然じゃ。爺は孫のために骨を折るもんじゃろう?」

「くっかか、確かに然り、ってか」

「それとライン、いつまでも剣を見てないでこれを着ろ」

「……」

「…はあ、うりゃ」


 うーん、やっぱりこれ、痛っ!?あ、頭が…。


「むおお、ユウ、何すんだ…」


 めっちゃ痛い…、俺が何した?


「剣に見惚れてないでドールさんの話を聞け」

「わ、分かった」


 だったら肩を叩くとかで教えてくれよ…。何で頭を殴る。


「…ごほん。話を戻すがライン、お前さんはこれを着ろ」


 これって…。


「軽鎧だな、それも少年君の体格に合わせてある。でもこれだと少年君が成長したら困らないか?」

「そこは問題ない。そいつはパーツそれぞれが分割できるようになっていてな、パーツを継ぎ足せば体のサイズが変わっても対応できる。さすがに微調整なしだと違和感はあるだろうがこれなら当面はラインが成長しても使い続けられる」

「なるほどな。しかもこいつはキキル鋼か、なかなかいいものを使っている」

「それを見抜くか、お前さんもなかなかじゃな」

「まあな。しかしキキル鋼は決して安くはないはずだけど、いいのか?」

「8万イルも有ればさすがに足りるわい、むしろあの剣一本に8万イルも請求するほうがおかしいじゃろ」

「それは確かに思ったけど、剣と鎧の二つなら技術料も含めれば足が出そうなんだが」

「かまわんよ。もともとラインが冒険者になったときに祝いとして何か渡そうと思っておったからの、わしの友人と一緒に作ったんじゃ。久々の徹夜は堪えるわい」

「…ありがとう、ドール爺さん。俺がんばって高ランクを目指すぜ!」


 ドール爺さんのためにもがんばっていこう、うん。


「良かったな少年君、じゃあそれを着て街の外に出るぞ」

「わかった」


 うわ、予想以上にしっくり来るな。それに結構軽い。


「軽いなこれ」

「キキル鋼は軽くて丈夫な金属だからね、回避型の前衛職に重宝される奴だよ。その分決して安くはないけど」

「そうなのか、ドール爺さん、改めてありがとうな」

「かまわん、ただしそれを着ている以上死ぬなよ」

「わかってるって、ロールを一人残すわけにも行かないしな」

「…スレイのことも気にしてやったらどうじゃ」

「? 何でスレイがここで出るんだ?」

『…』


 何で二人してこっちを微妙な目つきで見てくるんだよ。


「何だよ、二人とも」

「いや」

「そのうち気付けよ」

「???」

「まあいいや、行くぞ少年君。ではドールさん失礼しますよ」

「うむ、ラインもお前さんもまた来い」

「またな、ドール爺さん」


 さーて次は外で剣の訓練だ。




「…おい、ユウ」

「何?」

「俺はいつまでこうしていればいいんだ?」


 街の外に出てすでに30分ほど、俺がやっているのはずっと剣を持ち続けることだ。両手で剣を持ち正中に構えてそのままでいろ、と言われたのでそうしてきたがこれに何の意味があるんだ?


「ふむ、少年君剣先を見てみ」

「剣先?」


 剣先っても特に変わりな、って少しふらついてるな。そりゃ30分も持ってたらこうなるもんだろ?


「ふらついてるけどさ、そりゃそうだろ?」

「じゃ、それをぴったり止めてみ」

「うん?そんなの簡単に、ってあれ?」


 ん?ん?上手く止まんねえな。あれ、出来ねえ。


「結構難しいだろ?まだまだ少年君の筋力が足りない証拠だよ、剣で戦っていくつもりなら一時間は出来ねえとな。手強い魔物と当たって持久戦になるときついんだよ」

「なるほどな、…で、だ」

「何だ」

「もう下ろしていいか?」


 意識したら一気にきつくなってきた。


「ん?ああ、いいよ」

「ふー」


 これぐらいならと思ってたけど、意外ときつかったぜ。


「ちょっと休んだら次は剣の振り方だな。ほれ、これ食え」

「っと、リンゴか」


 真っ赤で美味そうだな。食っていいのか?


「さっさと食え。…うむ」

「おう、…うめえ」


 ユウに促されて食ってみたがみずみずしくて美味いな。この辺りだと早々手に入らないな。少しの間俺とユウがシャクシャクとリンゴを食べる音のみがその場を支配していた。


これを含めて後数話ラインの特訓回ですが、やっていることは私が適当に考えたものなので、おかしくても気にしないで下さい。むしろ教えてください。

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