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ラクセイリアの一人と二人  作者: 轟 響
序章:これまでの彼らとその終わり
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商売人と二人組

副題は変な二人

 まったく、ついてない。いや、そんなもんじゃすまないか。


 思えば三日前にこれまで世話になってきた馬が事故で怪我をしたときから俺の運は尽きだしてたんだろう。普段は平和な街道で盗賊に襲われガントの街で買ったばかりの慣れていない馬ではそいつらから逃げ切ることもできず、とっ捕まりおそらく一日程この牢屋に閉じ込められ助けを待つしかない身となってしまった。


 もっとも自分がダナン商会の跡取りであることを相手が知っており、身代金を得ることをたくらんでくれなければ、とっくに殺されていたのだろうからそれは幸運…か? 俺みたいなひょろ男は奴隷としての価値は低いだろうしな。ほかの牢屋にはそういった価値がある女子供がほとんどで男は少ないみたいだし。


 やれやれ、商会の人間としての正式な初仕事にこんなケチがついちまうとは。うまく生きて出られるといいんだが、それはそれで親父が怖いなぁ。


「おーおー。暗くて狭い牢屋だねっと」


ん?


「うるさい。さっさと歩け」

「わかってるよ。ユウも静かにしてて」

「へーいへい」


 あれは、盗賊の一人と…新しく捕まったやつか? ついてないな、あの二人も。


「ほらさっさと入れ」

「あいよーっと? おや、先輩さんかい?よろしゅうね」

「どこのしゃべりだいそれ?」

「えーーと、よろしく?」

 

 何なんだろうこの二人は?

 ひとりはへらへらとして状況を理解してんのかわかんねー男、もう一人はそれに軽くツッコミを入れてる優男?


「芸人かなんかかあんたら。捕まってるってことがわかってんのか」

「くっかか、芸人つーのは初めて言われたね。食いっぱぐれたら一緒にやるかい?」

「遠慮しとくよ。僕はそういったことは得意じゃないし」

「真面目系だもんなーナルは」


 …ほんとに何なんだこいつらは。俺と同じく金持ちの跡取りかなんかなのか、よくわからんな。


「あんたらはどうして捕まったんだ?」

「んー? 助けてくれるならお宝の場所とかとっておきの情報を教えるよー、つって生きながらえたのさね。実際に金品やら何やらを渡してね。情報屋っつーことで」

「それでとりあえずここに入っていろといわれましてね。そちらは?」

「ダナン商会の跡取りでね俺は。身代金と引き換えだとよ」

「ほーん。ま、お近づきのしるしにこれでも食うかい?」


 言いつつそいつはどこからかりんごを取り出した…って?!


「おい、どうしてそんなものを持ってる?! 持ちもんは取り上げられなかったのか?」

「隠す方法なんていくつもあるんですよ、くっかか」

「そんなことをしている場合かい? 僕にも頂戴」

「あいよー」


 本当に何なんだこいつらは。何で暢気にりんごなんか食ってられる? 怖くはないのか?


初投稿です、がんばっていきます

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