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コンビニ。年齢確認

作者: 森崎雄貴

「いらしゃいませー」

 やる気のない声で低燃費に今日もオレはバイトをこなす。

 ヤンキー風味の茶髪の男二人がレジに並んだ。少々お待ちくださいと言い、オレは品出しを中断してレジについた。

 顔を見るからに未成年だと一瞬で分かった。19歳のオレにとって自分より年下かどうかを見分けることはたやすいことだった。レジには缶チューハイとチーズやスナック等のつまみが置かれていた。さらに、セブンスターとマルボロを要求してくる未成年二人。

「お客様、申し訳ありませんが年齢確認のため身分証名のできるものをお願いします。」

 これが言えない店員が最近増えていると店長が嘆いていたが、オレは言える店員だった。入学試験がローマ字の書き取りをやらされる高校を出ていたオレはこの手のやつを見てビビることはなかった。

 二人は財布をお互いに出して持ってませんと一言ずつだるそうな声で行った。

 「申し訳ございませんがお客様、少しお若く見られますのでこちらの商品をお売りすることができません」

 オレは申し訳なさそうな笑顔で、とっとと失せろボケ。と心で叫びながら言った。

 相手も初めてのことではないらしい。チッと舌打ちをしてレジに商品を残したままドアに向かっていく。

 オレの働いているコンビニは今時珍しいことに手動ドアだった。二人のうち喧嘩が弱そうなやつがドアを蹴り開けようとしたその時、二人のうち喧嘩の強そうなヤンキーの百倍ほど喧嘩の強そうなオールバックのサングラスに紫色の背広を来た男に開いたドアが激しくぶつかった。

 かわいそうなことにその紫オールバックのお友達と思われるひとがその後ろに3人ほどいて、二人のヤンキーはドライブに連れて行かれた。

 おそらくその二人を見ることは一生ないことを悟ったオレは商品を棚に戻し、品出しを再開した。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。ヤンキーざまあの一言に尽きますね。
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